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むらこうブログ

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新快速③ 東海・京急との比較

2005-08-10 16:29:05 | 鉄道・車
今回は、関西の新快速の凄さを他の電車と比較して見ていきたいと思います。JR東海の新快速と京急などを比較に出します。
この記事の性格上、東海と京急には厳しいコメントをしていますが、これは関西の新快速と比較した場合であり、全国的に見れば、どちらもトップクラスの電車に変わりはないと言う事をお断りしておきます。

新快速の一番のウリは、やはり通勤電車日本一と言われる速さです。大阪-京都間約43キロを27分、大阪-三ノ宮間約31キロを19分で走ります。表定速度(停車時間も考慮された平均速度)はそれぞれ時速95キロ超、98キロとなります。これは、有料特急を含めてもトップクラスの数値です。近鉄のノンストップ特急アーバンライナーも難波-名古屋間の表定速度は時速94キロです(ただし、数分の余裕時間込み)。

よく色々なサイトで、「実は東海の新快速の方が表定速度が速い」とか「京急の快特が一番速い」とおっしゃる方がいます。
これは仕掛けがあります。東海新快速派が表定速度を持ち出す区間は大抵名古屋-岐阜間約30キロ、17分です。表定速度は106キロになります。
しかし、実際は、17分45秒が最速であり、約18分かかっています。これは313系の場合で、311系の場合は18分45秒となります。約19分です。時刻表は秒以下を切り捨てて表示するので、このような現象が起きます。
実際の表定速度は、313系が約102キロ、311系が96キロ超となります。
そして、この「東海の新快速の最速区間」によく持ち出される西日本の区間は、なぜか大阪-姫路約88キロの「長距離区間」です。表定速度は約92.5キロとなります。
一般に、距離が長くなるほど停車駅も増えてくるので、表定速度は低くなっていきます。例の東海の名古屋-岐阜間は、途中1駅の停車だけです。大阪-姫路間は、途中7駅停車です。この比較は公平とは言えません。
関西の新快速の1駅停車区間の新大阪-京都間も表定速度は100キロを超えますし、西明石-加古川間などは表定速度110キロを超えます。湖西線にも最速列車で110キロに迫る表定速度を叩き出す区間はあります。
このように、「最速区間」を見れば、いくらでも上はあるのです。

そして、東海派の方の理由として、「関西は複々線だが、東海は複線だ。複線で頑張る東海の方が凄い」と言う方もおられます。
しかし、ちょっと待ってください。列車の数が違います。
東海はデータイム一時間に、普通4本、快速2本、新快速2本と、数本の特急、貨物列車が走ります。
関西は、普通8本、快速4本、新快速4本と、2本の「サンダーバード」または「雷鳥」、これまた2本の「はるか」、その他にも「スーパーはくと」や「くろしお」が走ります。もちろん、「トワイライトエキスプレス」に代表される寝台列車や、貨物もあります。
線路容量は2倍でも、列車は2倍以上走っているのです。
現実を見れば、西日本の新快速の方が速いと言えます。
さらに、細かいことですが、外側線を走る関西の新快速は、ほとんどの停車駅で、ポイント制限を受けます。多くの通過駅でも内側線との間にホームが挟まるため、大きく外側に振られ、減速を余儀なくされます。このように、複々線と言えども、デメリットもあるのです。
次に、関東では最速だと思われている京浜急行の「快特」。確かに最高速度120キロで、関東の乗車券だけで乗れる私鉄としては、最速です。
では、京急ご自慢の区間、品川-横浜間を見てみましょう。距離は約22キロ。途中2駅停車で快特は17分(2100系)、地下鉄乗り入れの快特は120キロで走れないので18分かかります。この区間の2100系快特の表定速度は、約78キロ(同じ120キロ運転をする名鉄特急の名古屋-豊橋68キロ48分、表定速度約85キロ)です。
私鉄としては速い数値です(以前、「快速特急」の時代に京急蒲田通過で最速15分を叩き出していた時期があると聞いたことがあります。もしそれが事実なら、当時のこの区間の表定速度は、88キロになります。)。
ただし、これは東海の時に述べたように、京急の「最速区間」です。横浜以南も含めると、60キロ台にまで表定速度は落ちます。
この数値は、関西の私鉄の平均的数値です。関西の私鉄の無料特急の最高速度は110キロです。関西の私鉄は全線に渡って一定以上のスピードをキープしています。2001年以降停車駅が増えた阪急京都線、神戸線は70キロ以上の表定速度を叩き出しています(2001年以前の最速は大阪梅田-京都河原町間途中3駅停車、約48キロ37分、表定速度78キロ弱)。
このように、京急快特も、数値上で、関西の新快速には、はるかに及びません。

とは言うものの、一般の人が速いと思うのは、数字上の速さではなくて、実際に乗った時の感覚です。乗り慣れている関西の新快速と比べたいと思います。

まずは、東海の新快速です。結構乗っています。岐阜から名古屋へ向かう時は、線形がいいため、そこまで速い印象は受けません。ただ、名古屋-豊橋間は、カーブもそれなりにあり、結構揺られるため、かなり速い印象はあります。ただ、やはり絶対的な最高速度の差は感じ、130キロの関西の新快速には及ばないと言うのが正直な感想です。しかし、313系という車両は加速も素晴らしく、制限速度の関係で120キロに抑えられているに過ぎず、実力は高い電車です。
京急の2100系快特は3回ほど乗りました。正直、関西の新快速に乗り慣れている私にとっては、「普通」という印象です。むしろ、ネット上の評判で過剰な期待をしていた分、やや残念な感じでした。関西の人なら、私と同じ印象を受けると思います。しかし、2100系という車両も、潜在能力は高く、120キロに達するまでの時間は早いです。「よく揺れる」と聞いていましたが、速い故の揺れではなく、台車の柔らかさ(?)からくる揺れだと思います。乗り心地は、東海の313系とよく似ていて、フワリ、フワリという感じです。調子が悪かったら酔うかもしれません。
関西の先代新快速221系は、当初ヨーダンパが付いておらず、120キロ時の横揺れはそれは相当なものでした。

ここまで、関西、東海、京急を比べてきました。車両を見ると、加速は313系、2100系が上を行きます。関西の223系は両者に比べれば加速は鈍いですが、それでも加速度は2.5あり、標準です。最高速度が130キロになった分、時間がかかるのでそういう風に感じるのでしょう。
ちなみに、一部で、性能が悪いと批判されている223系は、湖西線で時速160キロの試験を行ったことがあり、今後のスピードアップに対しても、十分余力を残しています(先代の221系もMT比を変えて160キロのスピードを出しています)。ただ、4月の脱線事故で、近いうちに最高速度がアップされるかは分かりません。

内装は、223系は、221系より座席数を減らした変わりに補助イスを設置しています。重厚さは221系の方が上だと評価する人が多いです。シートピッチ(前後の座席の間隔)は91センチあります。
313系は、223系より内装が明るく、清潔な感じがします。
京急2100系は、この3者の中では一番カジュアルだと思います。2100系は、京阪8000系を参考にして創られました。ただ、シートピッチは少々狭く、85センチです(京阪は92センチ)。京阪のような2階建て車両や高級感はありませんが、関東ではトップクラスの車両です。

もう一つ、4月の脱線事故を受けて、安全だけはしっかりしてもらいたいと思います。よく、WEB上で、「遅れている時は京急は130キロ以上出す」と豪語している人がいますが、これが真実なら大変危険なことです。
恐らくこの話は嘘で、出しても最高時速+3キロの123キロ辺りが妥当だと思います。最高速度を120キロから、130キロに変えるのは、色々大変で、信号機のパターンを変えたり、地盤の強化、さらに踏切も130キロに対応させなければなりません。ダイヤも変えなければ…と、莫大なお金と時間が必要なのです。
しかも、遅れた時に130キロで走って良いのなら、はじめから130キロでダイヤを組めるはずなのです。ですが、最高120キロだという事は、130キロ出してはいけないのです。ATSも123キロ辺りでカットするはずです。制限速度は守らないと、脱線や、踏み切りの速すぎる通過などで、大事故にもなりかねません。
安全にスピードを追求してもらいたいと思います。

最後にもう一度言いますと、313系と2100系に少々批判的な文章となってしまいましたが、どちらも車両の性能自体は223系と肩を並べるものであり、線路の都合上、120キロに「抑えられている」だけで、東海の新快速も、京急の快特も、全国的に見ればサービス、速さにおいてトップレベルであるという事実には変わりありません。

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