【RCT】ARDSでのセボフルランによる鎮静はプロポフォールと比べて28日VFDや90日死亡が悪化した(SESAR)(JAMA 2025; online-first)
ARDSでの鎮静をセボフルランでおこなったらどうか、というphase 3のRCT
フランスの37施設で実施された。
成人のARDSでPFR <150、PEEP ≥8のものを対象として、セボフルラン群(N=346)とプロポフォール群(N=341)にランダム割付をおこなった。
どちらの群も酸素化が改善するまでは深い鎮静がおこなわれた。
実際に鎮静管理がおこなわれた期間の中央値はどちらの群も7日間であった。
プライマリアウトカムである28日のVFDはセボフルラン群で0.0 (0.0 to 11.9)日、プロポフォール群で0.0 (0.0 to 18.7)日でありセボフルラン群で悪かった(mean difference -2.1; -3.6 to -0.7)。
90日生存率も47.1% vs. 55.7%でありセボフルラン群で悪かった(HR 1.31; 1.05 to 1.62)。
セカンダリアウトカムをみてみると、セボフルラン群で7日死亡が多く(19.4% vs. 13.5%)、ICU-free daysが少なかった。
結論。中等度から重症のARDSにおいてセボフルランによる吸入麻酔はVFDが少なくなり90日生存が少なくなった。
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ISICEMからの同時発表の2本目。
チャレンジングでさすがフランスといった研究。
セボフルランが予後を悪化させた理由としては、循環動態が悪化したこと(ノルアドレナリンの投与量が増えて乳酸値が少し増えている)、長期投与で腎障害が生じたかもしれないこと、吸入麻酔の装置により死腔が増えたためかpHが低くなったりPaCO2が増えたりしたこと、などが考察されている。
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