翻訳屋さんの日記

駆け出し翻訳者の日常です。

英訳

2005年07月21日 | お仕事
昨日は、何とも暑かった!まるで日本の夏のようでした。
ここではたまに暑い事もあるけれど、長くても2、3日なので、冷房がありません。なので昨日の蒸し暑さはひたすら耐えるしかなく・・・。名古屋の夏を冷房なしで過ごした経験のある私はまだ何とかなりましたが(それでも辛かった!)、子供達が文句たらたら。夜遅くまで眠れなかったようです。

なので、昨日の夜に予定していた英訳の仕事は手を付けられず、結局今日やっています。

この仕事、エッセイを英訳すると言うものなので、英訳の仕方もいっぱいあって悩みます。原文にできるだけ忠実に、でもアメリカ人(かな?)にも伝わるようにと心がけながら、表現を考えます。例えば、「神秘的」とあれば和英辞典では「mysterious」とありますが、これはどうにもしっくり来ません。「mysterious」を英英辞典で引くと、「difficult to explain or understand」とか「you know very little about」という感じで、「理解不能」というニュアンスが強いんです。

なので、日本人の感じる「神秘的」は「peaceful」に近いのではないか?と。
どうでしょうか?ちなみに「peaceful」は「quiet and calm without any worry or excitement」という感じです。

この辺の語感を感じるには、たくさんの英語の表現を聞いたり、読んだりしないと難しい。和英辞典はヒントにはなりますが、英語で正しく表現するにはやっぱり英英辞典が必要。そのときのoptionの引き出しがたくさんないと、そこでいきずまってしまう。やっぱり、語彙力が少ないと難しいんだなぁという事を実感しました。日本に帰っても多聞多読を続けるには、どうしたらいいか方策を考える必要がありそう。

そんな感じで辞書を引き引きやっているので、時間も結構かかる!時間をかければ良いというものでもなくって、ちょっと休憩!なんてやっていると突然良い表現を思いついたり。英訳は(しかも文芸の)難しいけれど、結構楽しい。

アメリカに来て英語を再度勉強し直した時、冠詞や副詞の使い方が全然わからなかったけれど、これはだいぶましになっているようです。ちょっと嬉しい。

あとでネイティブチェックをしてもらうので、原稿がどれだけ修正されるか、楽しみです。ネイティブの思考はやっぱりネイティブに聞かないとわからないし、いろんな気づきがあると思うので。

でも、本当に英語と日本語は相性が悪いですよね。全然違うんだもん。日本語だと全然問題のない表現なのに、英語にするとどうも落ち着かない。日本語的に表現しても、絶対にわかりっこない!っていうものもあるし。私の中では、翻訳とは一つのイメージを別の言葉で表現する、という事だと思っているのですが、英訳をやるとこれがよくわかります。日本語を読んで、その言葉から受け取るイメージを頭に描いて、それを英語で表現する。和訳はついつい、英語から即!日本語、としているかのように思いがちだけれど、実は上手な翻訳者さんの翻訳はそうではないんですよね。

ちょっと気分が変わって、いろいろ勉強できた気がします。

今夜、もう一度見直してから納品します。