中井英夫「虚無への供物」読了。
だんだんと集中力というものが低下してきているのがよう分かる(昔からそんなにナイけど)ので、
長編や重そうな本は今のうちに(理解できなくても)取り合えず読んでおこうと思う今日この頃。
一通り読んでおけば、後で読み返すのも楽だろう。
以下ネタバレご注意。
冒頭の、
『虚無』へ捧ぐる供物にと
美酒すこし 海に流しぬ
いと少しを
ですっかりヤられてしまった感強し。引用だけどさ。
何なんだこのものすごい引力は!
文章も巧いし、想像力を刺激する美文の割には、
「ドグラ・マグラ」よりも読むのに時間かかってしまった。
というのも、久生の言うようにこの本、
いわゆる「本格推理長編」の体をなしているわけで、
そーいうのに慣れていない私は、
前後の脈絡を合わせるのに必死だったのですね。
その上皆がめちゃめちゃな推理合戦をしていて、
途中でわけわかんなくなりました(-_-;
要するに、論理的思考力がナイんですね・・・。
・・・私にあんまり頭を使わせないでください・・・。
自分が悪いんだけど。
あとたびたび出てくる推理小説の元ネタが分からんので、
どうもその辺ノれませんでした(笑)
でも最終章は一気読みでございました。
解題に江戸川乱歩の評が載っていて、
「トリックや幕切れが物足りない」とありましたね。
確かに「推理小説」としてはアレは反則なのだろうけれど、
私は逆にアレだからこそ面白かった。
もし全てのトリックや行為に説明がついていたら、
「推理小説わかんない・・・」で終わってしまっていたろうな。
えらい手の込んだトリックを使われても、
「人殺すのに、こんなに冷静に方法考えてる人間なんて恐ろしすぎる」
と思っちゃう類の人間としては・・・。
(でも、推理小説に慣れ親しんだ人のほうが、
もっともっと面白いと思えるんだろうな、とは思う。)
読後感は「ドグラ・マグラ」に似ているような気もするな。
どこまでホントか分かんなくなってくるトコが^^;
結局どこからどこまでが「事実」なのかは分からないままなんだよな。そこがイイ。
あと「自分」も話に巻き込まれていく感覚がね。
賢明なファンのみなさまに怒られるのを承知で言えば、
「推理」に関しては上述のようにからきしなモノですから、
私は殆ど「登場人物モエ」で読んでいました^^;バカですいません。
でも登場人物みんな魅力的なんですもん。
特に気に入ってるのは藍ちゃん、久生、そんでもって蒼司!
試験も恋人も放って非現実の世界=ゲイ・バアに入り浸る藍ちゃんモエ。
でも結局かわいい(?)恋人のところに戻っちゃって萎え(笑)
アリョーシャじゃないが置いていかれた感いっぱいだ。
ルナちゃんはルナちゃんで健気でいいんだけど。
とにかく藍ちゃん可愛い。怒りっぽいトコがまた可愛い。
牟礼田の小説での役割がヤだとボヤくとこが好きだなー。
久生は「人死にで遊びすぎやろ、おまい」と全編通してツッコミたくなる人物だけど、
(それが狙いなのか?)気質としては好き。
長野まゆみも中井英夫好きみたいだけれど、
あのヤな女(というか女のヤなところを前面に出した女)の原型はココにあったか?
と思ったわ(笑)
「~ですわ」調で喋っていたかと思いきや、
「あん畜生」と叫ぶ久生嬢がすごく好きだ。
でもお近づきにはなりたくないです。
この二人が好きって三島由紀夫とシュミ同じだ~と言ってみる。
向こうは一緒にして欲しくないだろうけど。
で、蒼司。蒼サマと勝手にお呼びしている(笑)←アホ。
ラストで態度が豹変する蒼サマステキ。
なんだかね、この人の「動機」がすごく染み入るものがある。
理解というか、感覚として「わかる」ような気がする。
言葉にしてどうのと言えるものではないんだけれど・・・
「虚無への供物」
と言われると、ああ、と思うものがある。
多分、この小説を面白いと思う人とは、この感覚は共有している気がするんだけど・・・。
蒼司は登場人物の中で最もまっすぐだと思うんですな。
捩れてない。捻くれてない。
だから「非現実に潜りそこね」ちゃったと感じましたが。
ラストもラスト、蒼サマらしき人物が窓際に立って、カーテンを引く場面が、
恐ろしいくらいに頭の中に鮮明に浮かんで、
それが焼きついてしばらく離れなかった。何でだろ。
ものすごく切なくなって、意味もなく涙が出そうになりました。
あそこで妙に哀しくて優しい雰囲気が満ちるんだけれど、何なんだろうなぁ・・・。
アリョーシャに成り代わってダッシュで握手しに行きたくなるくらいの気分だったわ。
・・・も一度読み返さねばならんか(笑)
ああほんとにどっからどこまでがホントのことなんだかわかんないー!
それにしてもキライなのは牟礼田。
倒錯と言うなら一番倒錯的で変態なのはこのヤローだ!
私にはこいつが最もイカれていると感じるられぞ。←あ・・・怒りの余り舌が回ってない・・・
散々曖昧な発言されて、少ない脳みそかき回された恨みもあるんだけれど(笑)
そんで結局、蒼兄さんパリにお持ち帰りか! あん畜生、よくも・・・(久生風)
だいっきらいだーーー!と叫びたい。
まあともかく。
全集の高い文庫買ったかいはあったな。
まだ途中までしか読んでいないんだけど、解説も濃ゆい・・・これだけで本になりそ。
追記。
薔薇が好きになりそうです。
あと、おキミちゃんどうなっちゃったんだろう・・・。
追々記。
注文していた「夕映少年」が明日届く♪
ホントはこっちのタイトルに惹かれていたんだけど、一応代表作の「虚無」から入ってみた。
たのしみ。
だんだんと集中力というものが低下してきているのがよう分かる(昔からそんなにナイけど)ので、
長編や重そうな本は今のうちに(理解できなくても)取り合えず読んでおこうと思う今日この頃。
一通り読んでおけば、後で読み返すのも楽だろう。
以下ネタバレご注意。
冒頭の、
『虚無』へ捧ぐる供物にと
美酒すこし 海に流しぬ
いと少しを
ですっかりヤられてしまった感強し。引用だけどさ。
何なんだこのものすごい引力は!
文章も巧いし、想像力を刺激する美文の割には、
「ドグラ・マグラ」よりも読むのに時間かかってしまった。
というのも、久生の言うようにこの本、
いわゆる「本格推理長編」の体をなしているわけで、
そーいうのに慣れていない私は、
前後の脈絡を合わせるのに必死だったのですね。
その上皆がめちゃめちゃな推理合戦をしていて、
途中でわけわかんなくなりました(-_-;
要するに、論理的思考力がナイんですね・・・。
・・・私にあんまり頭を使わせないでください・・・。
自分が悪いんだけど。
あとたびたび出てくる推理小説の元ネタが分からんので、
どうもその辺ノれませんでした(笑)
でも最終章は一気読みでございました。
解題に江戸川乱歩の評が載っていて、
「トリックや幕切れが物足りない」とありましたね。
確かに「推理小説」としてはアレは反則なのだろうけれど、
私は逆にアレだからこそ面白かった。
もし全てのトリックや行為に説明がついていたら、
「推理小説わかんない・・・」で終わってしまっていたろうな。
えらい手の込んだトリックを使われても、
「人殺すのに、こんなに冷静に方法考えてる人間なんて恐ろしすぎる」
と思っちゃう類の人間としては・・・。
(でも、推理小説に慣れ親しんだ人のほうが、
もっともっと面白いと思えるんだろうな、とは思う。)
読後感は「ドグラ・マグラ」に似ているような気もするな。
どこまでホントか分かんなくなってくるトコが^^;
結局どこからどこまでが「事実」なのかは分からないままなんだよな。そこがイイ。
あと「自分」も話に巻き込まれていく感覚がね。
賢明なファンのみなさまに怒られるのを承知で言えば、
「推理」に関しては上述のようにからきしなモノですから、
私は殆ど「登場人物モエ」で読んでいました^^;バカですいません。
でも登場人物みんな魅力的なんですもん。
特に気に入ってるのは藍ちゃん、久生、そんでもって蒼司!
試験も恋人も放って非現実の世界=ゲイ・バアに入り浸る藍ちゃんモエ。
でも結局かわいい(?)恋人のところに戻っちゃって萎え(笑)
アリョーシャじゃないが置いていかれた感いっぱいだ。
ルナちゃんはルナちゃんで健気でいいんだけど。
とにかく藍ちゃん可愛い。怒りっぽいトコがまた可愛い。
牟礼田の小説での役割がヤだとボヤくとこが好きだなー。
久生は「人死にで遊びすぎやろ、おまい」と全編通してツッコミたくなる人物だけど、
(それが狙いなのか?)気質としては好き。
長野まゆみも中井英夫好きみたいだけれど、
あのヤな女(というか女のヤなところを前面に出した女)の原型はココにあったか?
と思ったわ(笑)
「~ですわ」調で喋っていたかと思いきや、
「あん畜生」と叫ぶ久生嬢がすごく好きだ。
でもお近づきにはなりたくないです。
この二人が好きって三島由紀夫とシュミ同じだ~と言ってみる。
向こうは一緒にして欲しくないだろうけど。
で、蒼司。蒼サマと勝手にお呼びしている(笑)←アホ。
ラストで態度が豹変する蒼サマステキ。
なんだかね、この人の「動機」がすごく染み入るものがある。
理解というか、感覚として「わかる」ような気がする。
言葉にしてどうのと言えるものではないんだけれど・・・
「虚無への供物」
と言われると、ああ、と思うものがある。
多分、この小説を面白いと思う人とは、この感覚は共有している気がするんだけど・・・。
蒼司は登場人物の中で最もまっすぐだと思うんですな。
捩れてない。捻くれてない。
だから「非現実に潜りそこね」ちゃったと感じましたが。
ラストもラスト、蒼サマらしき人物が窓際に立って、カーテンを引く場面が、
恐ろしいくらいに頭の中に鮮明に浮かんで、
それが焼きついてしばらく離れなかった。何でだろ。
ものすごく切なくなって、意味もなく涙が出そうになりました。
あそこで妙に哀しくて優しい雰囲気が満ちるんだけれど、何なんだろうなぁ・・・。
アリョーシャに成り代わってダッシュで握手しに行きたくなるくらいの気分だったわ。
・・・も一度読み返さねばならんか(笑)
ああほんとにどっからどこまでがホントのことなんだかわかんないー!
それにしてもキライなのは牟礼田。
倒錯と言うなら一番倒錯的で変態なのはこのヤローだ!
私にはこいつが最もイカれていると感じるられぞ。←あ・・・怒りの余り舌が回ってない・・・
散々曖昧な発言されて、少ない脳みそかき回された恨みもあるんだけれど(笑)
そんで結局、蒼兄さんパリにお持ち帰りか! あん畜生、よくも・・・(久生風)
だいっきらいだーーー!と叫びたい。
まあともかく。
全集の高い文庫買ったかいはあったな。
まだ途中までしか読んでいないんだけど、解説も濃ゆい・・・これだけで本になりそ。
追記。
薔薇が好きになりそうです。
あと、おキミちゃんどうなっちゃったんだろう・・・。
追々記。
注文していた「夕映少年」が明日届く♪
ホントはこっちのタイトルに惹かれていたんだけど、一応代表作の「虚無」から入ってみた。
たのしみ。
中井英夫私も好きです♪
「薔薇への供物」持ってます♪
「虚無への供物」は大昔に読んだだけで忘れてしまっていますが、また読んでみようかと思いました。
「薔薇への供物」は自分的に萌(笑)。
まともなひとっぽいのに退廃趣味がたまりません。ふふふ。
「ドグラ・マグラ」は途中までしか読めなかった…。
どうしても読めない本というのがあって、夢野と太宰は読めないんです…なんでだか。
「美少年」漫画化ですか!!
読みました…が、あれってあれって…とっても鬼畜度高水準ですが…どこまで描かれるんでしょう!単行本になったら読んでみます。
こちらの日記は読んでいらっしゃる本が割と重なっているので密かに歓んで拝見してます♪三島由紀夫も好き♪
…長々とすいません~。
中井英夫お好きだったんですねぇ~!!
めちゃくちゃ嬉しいです(興奮)
ずっと読みたかった人なんですよ~。
只今「夕映少年」を読んで(そして萌えて)る途中なのですが、
次は必ず「薔薇への供物」を読みます、うふふ。
感想も必ず・・・。
ほんっと作品全体に漂うデカダンな雰囲気、たまらないですねぇ♪
ゴルフの「藍ちゃん」の名前を聞くたびに、ドキっとするようになってしまいました(笑)
夢野久作はすごく合ったのですが、
太宰は私も・・・です。
ひたすら避けて通ってます・・・^^;
何でか私も分からないんですが・・・
「美少年」はヒドいですよね(笑)
小野塚カホリさんはオリジナルも痛いのが多い方なので、今回相当あいたた・・・なんじゃないか・・・半分楽しみ、半分心配、フクザツです。
似た本を読んでる方がいるのはホントに嬉しいですねぇ、三島由紀夫もイイです♪
それなのにここに書いてるのはいつもレベルの低~い感想で申し訳ないです(-_-;)「萌え」話しかしてない気がします・・・
長々と・・・なんてとんでもない!嬉しいです♪
書き込み常時お待ちしてます~~!
あ、扇少年気に入ってくださったようで、ありがとうございます♪
はやく春になってほしい~・・・