Kinta -for all Kintamanias-

音楽アーティストKintaの日々思うこと。

羞恥心

2008-05-24 23:56:27 | Weblog
今度こそ、軽い話題を…!?


ボクはいろいろな音楽を聴くようにしているのですが、久しぶりに、聴いて(見て?)衝撃を受けた曲なのでした…。

『羞恥心』

ご存知ない方に簡単に説明すると、あるクイズ番組で珍解答?を繰り広げるイケメン3人がその番組の企画で『羞恥心』というユニットを組み、ユニット名と同じ『羞恥心』という曲でCDデビューしたら、それが大当たりしてCDがすごく売れた、という感じです。
You Tubeあたりで一度ご覧になってみてください。


音楽的な!?話をする前に、まず、「おバカタレント」って、どうかなぁ、という思いがボクの中ではあったりします。

いわゆる「おバカ」な解答をする人を面白がって笑って…、というのがどうなのかなぁ、という感じなのです…。

これって、イジメにも繋がったりするよなぁ、なんて考えたりして。

彼ら羞恥心の皆さんはもう大人だし、一方でその周りにいてその解答を笑ったりしているタレントの皆さんも大人なわけで、だから周りのタレントの皆さんは当然その行為からイジメに発展させることも無いわけで、一方羞恥心の皆さんもそういうことを分かってる、というかその周りのタレントを、これはイジメではない、イジメにはならないって信頼しているから、お互いがそういうその場を楽しむ空気を醸成できているわけです。

また、彼ら羞恥心の皆さんは俳優なりタレントなりでそれなりの実績を残しているわけで、さらにイケメンということも含めて、そういう周りから認められているものがあるから、それ以外の部分で多少笑われても自分も笑いながら受け流せるということがあると思います。

さらに言えば彼ら芸能人やボクらミュージシャンのような人気商売の人間は、仕事を選べるような大物芸能人とかならともかく、どんな形であれ楽しい、面白いモノを提供しないと生き残れない。だからもしその扱われ方が不本意だったとしてもそれを受け入れるしかない、要は仕事のために割り切る必要もあるわけです。
実際に彼ら羞恥心の皆さんが不本意なのかどうかは分かりませんが、おバカタレントというのはそういうところで成立している部分もあるわけです。

でもそれを子供が学校でマネしたら…。
授業なんかでおかしな解答をした子を周りの子が笑う。その周りの子供達は軽い気持ちかもしれないけど、笑われている本人は深刻に受け止めちゃって、傷ついて…。
まだお互い子供だから大人のように、その場を楽しんでいるだけとか、そういう割り切り方みたいなことができるわけじゃないし、またこういうことがやがてイジメに発展してしまうかもしれないし…。

この前の夜スペのblogでも書きましたが、いわゆる学校内という狭い社会においては周りに認められるための評価基準っていうのが大人になってからの社会に比べて極めて少ないので、例えば勉強ができなくても他で認められるということが、運動やスポーツが得意とかイケメンだとか、それくらいしかないわけです。
だからおかしな解答をして笑われたりすると、自分は他人に認められることは何も無いように感じて、軽く受け流したりできなくなってしまう、そんなこともあると思います。

たぶんそのクイズ番組、っていうか『クイズ!ヘキサゴン」という番組なのですが、子供達も結構観ているような気がするので、そんなことを気にしてしまうわけです…。

…そういうこと考えるな、って。
Kintaって、難しい人に思われるかな!?
なんか、「子供に見せたくない番組」とかいって『ロンハー』の名前を挙げるPTAみたい!?


さて、音楽的な!?話です。

いやぁ、プロデュースワークとして、本当に見事だなぁって思ったわけです。

徹底的に80年代アイドル風にこだわったことが良かったんだと思います。
サウンドも、振り付けも、衣装も、そして歌唱力も!?

そしてそれを懸命にパフォーマンスしている羞恥心の皆さんがイイ感じなわけです。
だいたい羞恥心の皆さんは年齢的にはアイドルって歳でもないわけです。
しかしそうすることによって、「一生懸命やってるけど、今どきこんなアイドルいないよなぁ、80年代じゃあるまいし、しかもアイドルって歳でもないでしょう、なんかおバカだよなぁ。」みたいな感じで、おそらくこの曲のテーマであるだろう!?「おバカでも一生懸命生きる」ということがよく伝わってくるんだと思います。

これを変に照れたりして、お笑いっぽく、バラエティっぽくやったらダメなんだと思います。
ひょっとしたら羞恥心の皆さんの中にも「何だよコレ!?」みたいなものがあったかもしれません。
でもそれを一切出さずに真剣なアイドルパフォーマンスをすることで、この楽曲の良さ、そして羞恥心の皆さんの魅力が表現できたんだと思います。

歌にしたって、決して上手いわけではないと思います。
でも、それがかえって、「歌は上手くないけど一生懸命歌っている」→「おバカでも一生懸命生きる」という感じで伝わるんだと思います。
この楽曲に関しては、もし歌が上手かったらかえってこの楽曲の良さが出てこなくなると思います。
ヘタだからいいんです!?

この曲の作詞は番組の司会者でもある島田紳助さんで、歌詞のテーマもおそらく「おバカでも一生懸命生きる」ということなんだろうと思います。
このことに関して、ボクは島田紳助さんのある一言が印象に残っています。
確か「彼らはおバカだから売れたんじゃない。おバカだけど明るく前向きで一生懸命だから売れたんだ。」というようなニュアンスだったと思います。
ここからボクは、島田紳助さんはこの羞恥心の皆さんの魅力を完璧に見抜いて、それを引き出すべくこの歌詞を書いたんだ、と思ったわけです。

ボクが楽曲をプロデュースするにあたっては、そのヴォーカリストの魅力を見抜いてそれを引き出す、そのためにどういう楽曲がいいかを考える、ということを常に意識しているつもりですが、島田紳助さんはそれを完璧にやってしまった、という感じで、さすがだなぁ、と思ったわけです。

いろいろ書きましたが、まとめると、羞恥心の皆さんの魅力があって、それを最大限に引き出すためによく考えられた歌詞とか曲とかコンセプトとかがあって、そしてそれに応える羞恥心の皆さんの完璧なパフォーマンスがあって、だからこれだけ完成度の高い楽曲になったんだと思います。
この曲は決して話題性とかだけで売れたんじゃないとボクは思っています。

楽曲の完成度って、歌が上手いとか、歌詞や曲やサウンドがいいとか、そういうことじゃないとボクは思っています。
音楽をやっていて行き詰まったりすると、その解決のためについ技術的な方向に走ってしまいがちなことがあるのですが、それではいけないと改めて感じさせられたのでした。

※少し上から目線的な文章になってしまっていて申し訳ありません。
もちろんそんなつもりはなく、単純にこの楽曲の素晴らしさについて書きたいというだけです。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。


…それにしても、イケメンって、得だよなぁ…。
(結局ソコかい!?)


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