Kinta -for all Kintamanias-

音楽アーティストKintaの日々思うこと。

「空気読め。」の心理学④

2007-11-17 21:46:27 | Weblog
久しぶりの更新となってしまいました。

さて、今回は長々と書いてきた『「空気読め。」の心理学』の最終回としたいと思います。

おさらいしますと、空気が読める人には2種類あるという話を書きました。
1つは「①その空気を読んでそれに合った言動やリアクションができる人」
もう1つは「②その集団における空気を自分から作り出してしまう人」ということです。

それで今回は「②その集団における空気を自分から作り出してしまう人」という話をしようと思います。

このタイプの人は2パターンあって、1つは強烈なリーダーシップの持ち主、もう1つは強烈なキャラクターの持ち主というところではないでしょうか。

そして、強烈なキャラクターっていうのを身につけるのはかなり大変でしょうから、強烈なリーダーシップを持つ、っていうかその集団の中心的存在になるというのが手っ取り早いような気がします。
そうすればその人の行動や言動がそのまま空気になるので、周りから見れば空気が読める人、っていうことになるかもしれません。

これは別の言い方をすると、例えばこの人空気読めてるなぁ、って感じる人がいたとして、その人は実は空気が読めるということではなく、単純にその集団におけるリーダー的存在、中心的存在だからその人の言動や行動がそのまま空気になってる、ということであって、例えばその人が他の集団に入っていったとしたら途端に空気が上手く読めずおとなしくなってしまっている。

そんな人、周りにいたりしません!?
心当たりありません!?

わかりにくかったかな!?

極端な例ですが、最近話題の英会話NOVAの前社長みたいな、いわゆるワンマンタイプの経営者なんかもこのパターンに当てはまるのかもしれません。
周りにいる人たちが、本意か不本意かは別としてとりあえずその経営者を立てるから、それでその人は自分が空気が読めてると勘違いしてたりして…。

それで、違う集団、というか世の中の空気は読めてなかったり!?

政治家でも、そういう人って、いたっけ!?

だから皆さんの周りにも、結構いたりするのかも!?

それで、何が言いたいかっていうと、そういう人を見て「あいつは空気が読めていいなぁ。それに比べて自分はなんで空気が読めないんだろう?」なんて、勘違いして悩んだりすることが無いようにして欲しいなぁ、って思うのです。
その人は自分がその集団を引っ張っているというだけで、空気を読むのに長けているわけではないのです、たぶん…。

もちろん、そんな人ばかりではありませんが…。

今回、長々とこのテーマで書いていますが、結局は趣旨として、空気が読めることがそんなに偉いのか、極端に場違いな言動や行動をしてしまうというならともかく、多少空気が読めなくたっていいじゃない!?その空気と違う言動や行動をしたっていいじゃない!?ということを言いたいわけです。

Kintaの曲『ストリートファイターⅡ』の歌詞の中に「自分が自分であろうとするほど きっと孤独を感じるだろう 人はそれぞれ違うから 仕方ないことなんだ 頑張れ」というフレーズがあります。
このフレーズには(もちろん曲の中の他のフレーズにもですが)いろいろな意味が込められていまして、それをここでいろいろ書くとテーマからはずれるのでここでは書きませんが、KYだっていいじゃないか、悩むことはないんだ、頑張れ、みたいな意味もひょっとしたら込められているのかもしれません。
(自分の書いた歌詞なのにこの言い方も変ですが!?)
ちなみに、この歌詞を書いた当時、まだKYなんて言葉はありませんでした。

☆『ストリートファイターⅡ』聴いてみたくなったでしょ!?
 早速聴いてみましょう!
 この記事の最後にあるURLから聴けます!!


さて、今度は「アーティストは空気を読むべきか。」「空気を読めた方がよいのか。」という話です。
といっても、ここまでかなり長くなってしまったので、サクッと書こうと思います!?

いや、でもこれは結構難しい問題なんです。
例えばライヴでは、ボクらアーティストを含め作り手側だけでなく、当然観客もいて空気が出来上がるわけです。
そして、観客がボクらに期待するパフォーマンスっていうのが当然あるわけで、アーティストはその空気を読んで、それに応えるべくパフォーマンスをする必要があるわけです。
ボクら音楽アーティストのステージの場合、演奏する曲目を変えるというのはなかなか難しいですが、例えば客層とかを見てMCの内容を変えるくらいのことはする必要があったりします。
先日のKintaの日比谷野音でのライヴでは、ボクは最初MCとして、今流行の小島よしお氏の話でもしようかと事前に考えていたりしたのですが、客層を見て30~40代の方も結構見受けられて、これはひょっとしたら小島よしお氏の話をしても通じないんじゃないかと思って、とっさに違う話をしたりしてました。

一方で、アーティストが自ら積極的に観客を引っ張って空気を作っていくということも必要だったりします。
いわゆる「観客をアオる」というのもそういう行為の一部かもしれません。
(ただしこれには空気を読んだうえで、それに乗っかって観客をアオるという側面もあるので一概には言えませんが。)
また、アーティストには、出てきただけでその場の雰囲気を自らの空気に変えてしまうような強いキャラや個性が求められているとも言えます。
観客としても、それくらいのアーティストの方がいいでしょ!?
観てて楽しいでしょ!?

ボクは女性ヴォーカリストに曲を出したりもしてるわけですが、ボクの空気というか要求というかボクが書いた曲のイメージに応えてくれようとする人もありがたいのですが、一方で、強烈な空気を持っていてそれにボクの音楽が引っ張られる、そういうヴォーカリストの方が面白い(おかしいという意味ではないです)楽曲ができたりするような気もします。

結局のところ、アーティストには空気を読む力と、読まない力というか読む必要が無いくらいのパワー、両方が必要なんです。
よく、アーティストがステージに立つ心構えとして「テンションがハイになって盛り上がってる自分を、遠くからもう1人の冷静な自分が見ている。」みたいな言い方がなされますが(そんな言い方しない!?)この感覚に近いんだと思います。
空気を読むとかじゃなくて自らの強烈なキャラクターやパフォーマンスで空気を生み出すハイテンションな自分と、一方で空気を読んで要求されているパフォーマンスを感じ取ってそれに応えようとする冷静な自分、という感じでしょうか。


最後に、なぜ小島よしお氏の「でもそんなの関係ねぇ!」がこんなに流行ったのでしょう。
もちろん彼の強烈なキャラクターやパフォーマンスが大きな要因でしょうが、実はみんな結構「でもそんなの関係ねぇ!」って言いたくなるような経験が少なからずあるからじゃないかな、とか思ったりするのです。
空気が上手く読めなかったときとか…。
空気なんか読みたくないときとか…。


皆さん、空気が読める人になりたいですか?
空気読みたいですか?


☆Kintaの曲を聴いてみよう!

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