金魚HOUSE

デザイナー飛弾野由佳のデザインのお仕事とまんがの話。
ときどきおいしいものの話もアリ…

小口装飾

2011-07-16 15:02:09 | まんが
昨日の記事の『ななめの音楽』の小口がちょっとおもしろかったので、
小口について語ってみますヨ。

『ななめの音楽』の小口は3方ほぼ黒い作り。
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ページをめくろうと小口をななめにずらすと、より黒くなります。縞模様も見えます。

これは原稿の断切り部分をべたで塗りつぶしておくというワザ。
本文を見ると3方黒くなっているワケです。
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任意のページだけを塗りつぶさないでおくとそこだけ白いラインが現れます。
これを利用してもっと複雑な絵柄を描く事も可能です。
漫画では『もやしもん』がこのワザを使っていることで有名。関連記事

昔、この小口を真っ黒にするというワザを少女漫画の装丁デザインのお仕事の時、
やろうとして断念したことがアリマス…。
少女漫画だと絵柄に断切り(小口までいっぱいいっぱい絵がある状態)部分が多すぎて
3方ベタで塗りつぶすことが出来ないのです。
本文の絵柄に関係なく小口に色をつける方法もあるのですが、コスト面で断念。

この「本文の絵柄に関係なく小口に色をつける方法」とは小口塗装。

こんな感じデス。
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これは製本した後に染料をスプレーのように吹き付けて作ります。
基本的にどんな色でもOK。(金・銀・白など特殊な色は出来ない)
これだと本文に影響はほとんどない。(紙質によっては多少にじみが出る)

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このワザを初めて目にしたのは多分、大友克洋さんの『AKIRA』。
アメコミみたいで、カッコよくて、衝撃的なデザインだったナ~。
いつか使ってみたいあこがれのワザです。

ちなみに、ハードカバーの立派な本で小口が金のものがありますが。
あれはまた別のワザで天金加工といいます。
金箔を小口に箔押しして作るので、非常に輝きが美しく、豪華な仕上がりになるワザですねー。


購入『ななめの音楽』1

2011-07-15 23:21:49 | まんが
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『ななめの音楽』1 川原由美子  朝日新聞社

かなりひさしぶりの川原由美子さん新作の単行本デス!
あいかわらず美しい絵。カラーもものずごくキレイ。
繊細な少女漫画タッチの絵柄ですが、お話は近未来SF風、飛行機レースものですヨ。
ふしぎ~な空気感が流れています。


購入『楽園番外地』2

2011-07-13 16:50:48 | まんが
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『楽園番外地』2  桑田乃梨子  新書館

完結巻。よかった、ちゃんと完結巻が読めた。
最初は『ウンポコ』掲載でしたが、途中で『ウンポコ』が休刊。
1巻出たきりになったら悲しいな~と思っていました。
『ウェブ ウイングス』に続きが掲載されて、2巻出ました!
よかった!!

桑田乃梨子さんの作品の中でもスキランキングかなり上位の作品です。
1番好きなのは『ほとんど以上絶対未満』。
『青春は薔薇色だ』も好き。