ヒットした短歌: 24件
日曜の朝寝をすれば節々は痛むがごとし疲れけるらし
斎藤茂吉 『ともしび』, 1928, 1950
東京に居れば朝寝をするゆゑにかかる太陽見ることもなし
斎藤茂吉 『連山』, 1930, 1950
朝寝して新聞読む間なかりしを/負債のごとく/今日も感ずる。
石川啄木 『悲しき玩具』, 1909-1911, 1912
都はいま朝顏苗の賣聲のすがしきをきく朝寢なるらし
若山牧水 『白梅集』, 1916-1917, 1917
つばくらの羽にしたたる春雨を受けて撫でんかわが朝寢髮
与謝野晶子 『みだれ髪』, 0000, 1901
朝寝髪みよきばかりにかきなでて三日月がたの櫛一つ挿す
与謝野鉄幹 『相聞』, 0000, 1910
うとましき手形支払ふ日はちかししかすがに吾は朝寝なしえず
前田夕暮 『歌稿 天然更新歌稿』, 1923, [1923]
よもすがら音せし風のさびしさを思ひながらに朝寝をぞする
斎藤茂吉 『つきかげ』, 1949, 1954
樺いろの雲の中よりこしと云ふ童にまじり朝寢しぬるも
与謝野晶子 『佐保姫』, 0000, 1909
旅の朝寝覚によろし甲斐唄の主は青野の風に吹かれ行
釈迢空 『短歌拾遺』, 1905, [1905]
ほのほのと夜は明けにけり崎守の朝寝の窓にむるる水鳥
釈迢空 『短歌拾遺』, 1906, [1906]
高どのに春の寒さをたれこめて朝寝し居れは花を賣る聲
正岡子規 『竹乃里歌』, 1900, [1904]
戸をくれば朝寢の人の黑かみに霧ながれよる松なかの家
若山牧水 『海の聲』, 1905-1908, 1908
君はいま旅順にありと思ふては我れの朝寝もはねおきにけり
前田夕暮 『歌稿 あららぎ』, 1904, [1904]
五月雨に淋し池水鴛鴛鴦二つ將軍未だ朝寢ますらし
伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1906, [1906]
五月雨を朝寢し居れば葦切が聲急き鳴くも庭の近くに
伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1905, [1905]
うぐひすは餘寒のとばり厚く引き朝寝る窓を訪はぬ鳥かな
与謝野晶子 『毒草』, 0000, 1904
起くる朝寝る夜につづくごとくなるこの短さはこころ故かも : 窪田空穂 『木草と共に』, 1962, 1964
「寝違え」を検索したがヒットなし。歌人は寝違えたりしないらしい。朝寝坊もしないらしい。朝寝にしてもみなさん反省していて可愛らしい。
正岡子規、伊藤左千夫など初期の近代短歌からは、当時の市井の生活がよくみえてきます。
昨日の蜜柑も楽しく読みました。
以前、私が五目寿司の事を書いたあと「五目」を取り上げておられ、偶然かまたは選んで下さったのか、とても楽しく考えました。