干ばつの頻度と期間は、2000年以降、世界全体で29%増加していて、2050年までに干ばつが世界人口の75%以上に影響を与える可能性があります。雨の多い日本では、水不足や干ばつは遠い国の問題のように感じるかもしれません。 しかし、日本はオリーブオイルや小麦、大豆、鶏肉、とうもろこし、コーヒー豆、牛肉など多様な食品や原料、家畜飼料を輸入に依存しています。そしてその産出国の農業が、干ばつの被害を受けています。 干ばつによる森林火災も毎年のように拡大を続け、大気の二酸化炭素を吸収するたいせつな役割を担う大量の植物たちだけでなく、そこに暮らす人々や生きものたちの命を脅かしています。干ばつの原因のひとつは、気候変動による異常気象。これ以上、気候危機の加速をくいとめるためにわたしたちにできることが、まだまだあります。国連砂漠化防止条約(UNCCD)は、人類は干ばつの影響により「岐路に立っている。早急に、あらゆる手段を用いて緩和を加速する必要がある」としています。<グリーンピース>
荒井公康