介山の日記

つれづれに思ったことを書きます。

共産党の失点と存在意義

2016-06-30 11:10:46 | 所感
一昨日、防衛予算を「人を殺すための予算」
と表現したとされる、共産党政策委員長が
辞めました。

防衛省関係者に失礼だ、言い過ぎだ、など、
中身の議論は華やかになされていますが、
僕はちょっと違う議論をしたいと思います。

そもそも共産党は、憲法制定時に「自衛権
のない憲法に反対」として反対したものの、
ずっと自衛隊を違憲だ、として来ました。

それなら、表現はともかく、自衛隊を否定
することを前提にした発言は、むしろ、
その立場からはもっともだ、と思います。

それが(表現を訂正しただけでなく)謝罪、
撤回したうえ、役職辞任までしました。

党首の厳重注意のみならず、「深く反省し
お詫び申し上げる」とまで言って役職を
辞める理由って、あるのでしょうか。

災害支援で活躍しようがダメなものはダメ、
と言わないと、自衛隊は違憲だ、という
立場と、まったく相容れないと思います。

何しろ災害支援に武器は不要なのですから、
共産党の立場からは「災害派遣専門部隊を
作るべき」と言わないと、矛盾が生じます。

もし、参院選挙で民進党と組んでいるから
自衛隊の議論もうやむやにするのなら、
国民を騙していることになりませんか?

そもそも、解釈改憲は許されないと与党を
批判しながら、「違憲で段階的に解消する、
でもそれまでの間に外国が攻めて来たら、
自衛隊で対処するのが政府の当然の責務」
と言うのは、何だかなと思います。

それなら、自衛隊を解消した後に外国が
攻めて来たら、政府がどう責務を全うする
のか、答えがなくてはいけません。

やはり、共産党は(政権を目指すのは政党
として当然としてもまずは)「確かな野党」
として、れっきとした批判政党であるべき
です。

(連立政権に入ってくれと他党に言われ
たら、その時、党是の1つを凍結してでも
政権に入り、そのほかの政策を実現する
価値があるか、そしてそれは支持者に納得
してもらえるか、考えれば良いのです。)

率直な話、共産党に投票する有権者の多く
(共産党にとって浮動層)は、「今回は
与党にお灸を据えてやろう」という人だと
思います。

それがなかったら、どこまでも「共産党」
という名前が好きな有権者(固定層)は別
として、存在意義があるか、かなり疑問です。

世論に迎合しただけか、「国民連合政府」
とやらに色気が出たのか、その両方か、
いずれにしても、その程度の信念だった
のか、と思われてもしかたありません。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-05-18/0518faq.html