Dr.ココアのイヌ&ネコ 眼科・歯科診療日記

動物病院に訪れたワンちゃん・ネコちゃんの診療日記。眼科・歯科診療を中心に語ります。

眼球形成術(角膜穿孔、網膜剥離を伴った牛眼)

2015-11-17 12:30:44 | 日記
今回は点眼剤による角膜穿孔をおこし、網膜剥離、牛眼となった症例の治療を紹介します。
ペキニーズ、2才、女の子です。
症例は本院来院20日前に右角膜に傷をつけ、主治医に抗生物質点眼、ステロイド点眼処方を受け治療していましたが、どんどん悪化していくとのことで当院に来院しました。

上の2画像は来院時のものです。右角膜中央に穿孔があり、眼球全体が大きくなっているのが見られます。この時点で角膜穿孔部の細菌感染、エコーによる網膜剥離、眼としての機能が失われていることを診断しました。
結論としては右眼球摘出術をすすめましたが、飼い主様の希望で眼球を温存する手術を選択しました。

手術前の画像です。手術は前眼房の洗浄、角膜縫合、結膜有茎弁製作、凍結による毛様体破壊術、角膜再生シート装着、眼瞼閉鎖の順で行いました。

上の画像は手術後のものです。

手術7日目の画像です。

手術14日目の画像です。

手術28日目の画像です。

手術45日目の画像です。

手術69日目の画像です。かなりきれいになって、良く観察しなければ視力のない眼とは判断できません。
ただし将来、右眼は虚脱していく(小さくなる)可能性はあります。
眼球摘出しなくてよかったね!おだいじに!


  森田動物医療センター  http://www.animal-hospital.jp


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