出会いはボクが小学6年生の時。宿題で書いたクラス全員の作文が市の作文大会に
そのまま提出され、忘れた頃にもらった参加賞。それが「彼」でした。
それから実に20年以上。東京から大阪、そして海外へと渡り歩いたボクと
一緒に彼は海を渡り、空を越えて、世界を駆け巡りました。
ある時はその16cmの体躯を生かして長さを測り、またある時は表を書くための
直線を描き、時には「(´・ω・`)背中カユイ…」とぼやくボクの孫の手役まで
やらされて。それでも彼は
[≡≡-Д-] 『それも俺の仕事だ。』
と言わんばかりに愚直に「仕事」をこなしてくれました。いつしか彼に描かれていた
模様はすり減って消えてしまいましたが、
[≡≡-Д-] 『これがなかったら、俺が俺でなくなっちまうじゃねぇか。』
と、その目盛と数字だけはいつまでもくっきりと黒いままでした。
そんなある日。いつも通りその日も長さを測って線を描いてボクの背中をかいて。
一通りの仕事を終えたその時でした。
ぱきぃっ
別に変に力を入れたわけでもなく、ただ普通に手に持っていた時でした。鈍く、
鋭い音を一瞬立てたかと思うと、彼の半身がボクの手の上からこぼれ落ちていきました。
(;´・ω・) 「えぇッ!? な、何でッ!?」
もしかしたらずっと前からヒビでも入っていたのかもしれません。でも、まさか
この20年以上も一緒に一緒に仕事をしてきた彼が、こんな何でもない事で折れて
しまうなんてこれっぽっちも考えたことのなかったボクには青天の霹靂とも言える
出来事でした。
( ´;ω;) 「ええー… こんなにあっさりと逝っちゃうものなのかヨゥ…」
( ´;ω;) 「…さようなら。今までありがとう…」
『ちょっと待てコラ。』
( ´;ω;) 「…え?」
[≡`Д´] 『待て、って言ってんだよ、ヲイ。」
(;´・ω・) 「え? え? 何で?」
[≡`Д´] 『よく見ろバカ。まだ俺、10cmも残ってるじゃねぇかよ。」
(;´・ω・) 「…うん、まぁ、確かに。」
[≡`Д´] 『使えるだろーがよ! これだけあればよ!」
(;´・ω・) 「…まぁ、確かに、使えない、って事はないけど…」
[≡`Д´] 『だったら使えばいいじゃねぇかよ! 大体お前、今更わざわざ新しい
物差しを買う気なんてないんだろ? しかもこんな中途半端なサイズの。
いつも言ってたじゃねぇか、「やっぱり30cmくらいはないとなぁ
物差しって」ってよ。』
( ´・ω・) 「まぁね。実際そうだもんな。」
[≡`Д´] 『その言い草には納得がいかんが、16cmだろうが10cmだろうが、
大した違いはねぇだろ。』
( ´・ω・) 「…う~ん… そういうものかな…」
[≡`∀´]ノ 『ま、そういう事で、これからもいてやるからよ。心配すんな。』
そんな訳で、ちょっと背丈の短くなった彼は今もボクの背中をかいてます。結局
お別れしたのは彼の5cmの部分だけで…
『おいおいちょっと待てや。』
(;´・ω・) 「…えぇぇぇ~ッ!?」
そのまま提出され、忘れた頃にもらった参加賞。それが「彼」でした。
それから実に20年以上。東京から大阪、そして海外へと渡り歩いたボクと
一緒に彼は海を渡り、空を越えて、世界を駆け巡りました。
ある時はその16cmの体躯を生かして長さを測り、またある時は表を書くための
直線を描き、時には「(´・ω・`)背中カユイ…」とぼやくボクの孫の手役まで
やらされて。それでも彼は
[≡≡-Д-] 『それも俺の仕事だ。』
と言わんばかりに愚直に「仕事」をこなしてくれました。いつしか彼に描かれていた
模様はすり減って消えてしまいましたが、
[≡≡-Д-] 『これがなかったら、俺が俺でなくなっちまうじゃねぇか。』
と、その目盛と数字だけはいつまでもくっきりと黒いままでした。
そんなある日。いつも通りその日も長さを測って線を描いてボクの背中をかいて。
一通りの仕事を終えたその時でした。
ぱきぃっ
別に変に力を入れたわけでもなく、ただ普通に手に持っていた時でした。鈍く、
鋭い音を一瞬立てたかと思うと、彼の半身がボクの手の上からこぼれ落ちていきました。
(;´・ω・) 「えぇッ!? な、何でッ!?」
もしかしたらずっと前からヒビでも入っていたのかもしれません。でも、まさか
この20年以上も一緒に一緒に仕事をしてきた彼が、こんな何でもない事で折れて
しまうなんてこれっぽっちも考えたことのなかったボクには青天の霹靂とも言える
出来事でした。
( ´;ω;) 「ええー… こんなにあっさりと逝っちゃうものなのかヨゥ…」
( ´;ω;) 「…さようなら。今までありがとう…」
『ちょっと待てコラ。』
( ´;ω;) 「…え?」
[≡`Д´] 『待て、って言ってんだよ、ヲイ。」
(;´・ω・) 「え? え? 何で?」
[≡`Д´] 『よく見ろバカ。まだ俺、10cmも残ってるじゃねぇかよ。」
(;´・ω・) 「…うん、まぁ、確かに。」
[≡`Д´] 『使えるだろーがよ! これだけあればよ!」
(;´・ω・) 「…まぁ、確かに、使えない、って事はないけど…」
[≡`Д´] 『だったら使えばいいじゃねぇかよ! 大体お前、今更わざわざ新しい
物差しを買う気なんてないんだろ? しかもこんな中途半端なサイズの。
いつも言ってたじゃねぇか、「やっぱり30cmくらいはないとなぁ
物差しって」ってよ。』
( ´・ω・) 「まぁね。実際そうだもんな。」
[≡`Д´] 『その言い草には納得がいかんが、16cmだろうが10cmだろうが、
大した違いはねぇだろ。』
( ´・ω・) 「…う~ん… そういうものかな…」
[≡`∀´]ノ 『ま、そういう事で、これからもいてやるからよ。心配すんな。』
そんな訳で、ちょっと背丈の短くなった彼は今もボクの背中をかいてます。結局
お別れしたのは彼の5cmの部分だけで…
『おいおいちょっと待てや。』
(;´・ω・) 「…えぇぇぇ~ッ!?」