ケイの闘病や介護録

病気の記録や家族の介護の記録など

母の他界から退院直後の兄 6

2022年03月05日 | 兄の介護

兄の入院中に母が他界しましたが

精神科の主治医が兄の精神的ショックを考慮し体調が回復してから

先生も同席の上、入院中に伝えようと提案して下さいました。

主治医・兄・夫・私の4人が面談室に集まり夫から兄に伝えました。

「死んだんかぁ・・写真になっちゃったんか・・」と言いながら

少し涙を流しましたが取り乱すことなく落ち着いて聞いていました。

兄に伝えたのは母が亡くなってから一ヶ月たってからだったので

その間に「母ちゃんはどうなんだ?心配だよ」と言っていましたから

兄なりにおかしいと気付いていたのかと思います。

 

その後も兄は入院中に体調や精神状態が悪化する事なく

母の四十九日を終えてから退院し家に戻りました。

仏壇の前で兄は母のいない現実を目の当たりにし

かなりショックを受けた様子でした。

三人の生活が始まり兄は日中、週2回の生活介護の利用から再開しました。

 

入院中に服薬調整をされていたようで、かなりの向精神薬が減っており

夫が「ドカンと来るぞ」と言っていました。

昔、病院を替わった時、1から薬の調整をする為に飲んでいた薬を

一気に減らしたそうですが

兄の感情の起伏がかなり激しくなって大変だったとの事。

 

そして夫が恐れていた事が起こりました。

寝ないで深夜も部屋中をウロウロする。

(眠剤を飲んでも丸三日間、一睡もしなくても目がランランとしていた)

常にイライラして怒り出す。

(この時は人相まで変わって別人の様に怖い顔をしていました)

普段はしないのに、お風呂に入ろうして時間帯をかまわず沸かしだす。

(お湯の調整が自分では出来ないので火傷の恐れがある)

通所介護にも行かないと言って着替えようともせず動かない。

(休みがちになり、行ってもコップを手で払って落としたりして不機嫌)

 

精神科の受診同行は母から私に替わっていたので

主治医に状況説明しながら徐々に薬を戻してもらいました。

完全に前の薬に戻るまで三か月はかかりました。

薬の必要性を伝える為に、カレンダーを作成し睡眠状態や

感情の起伏を色塗りして一目でわかるように工夫しました。

 

兄は若い頃からかなり強い薬を飲んでいました。

だから常にボーっとした感じです。

でもそれが兄には必要だったのです。

入院中体調が安定して来ると兄が日に日にシャキッとして

動作もキビキビ、受け答えも早くなり

まるで別人の様になって行きましたが

それは薬が少なくなっていたからだったのです。

退院時の処方箋を見て初めて知りました。

眠れないし常にイライラする。それは

介護者が困ると言う問題だけではなく

兄自身が辛い状態なのです。

 

別の機会に記事にしますが

私の母は認知症で薬の調整が整うまで

かなり怒りっぽくて大変でした。

母の主治医から「怒ると言のは、かなりのエネルギーを使うし

 本人にとっては辛い事なんですよ」

そう言われて、はっとした経験があります。

本人の為にもイライラせず穏やかに過ごせる事は大切なのです。

けして、介護者の都合だけの問題ではありません。



2 コメント

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Unknown (野付ウシ)
2022-03-05 19:39:35
こういう状態は一人ひとり異なると思いますので、医者の方も丁寧に向き合って判断することが必要ですね。個人ごとに条件も違うと思いますが、やはり動く(軽い運動)や外の景色・空気に触れることも大事かと思いますね。自然はやはり人を癒やしてくれますから。
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Unknown (kei-kei-2022)
2022-03-05 21:02:37
野付ウシさん、コメントありがとうございます。

そうですね、それぞれ状態は違いますから・・・
兄の主治医は私のうつ病でも担当して下さった先生ですが
よく話を聞いて対応して下さった方だと思います。
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