"廃PCB保管で苫小牧市が虚偽報告 管理者に無資格職員ら"(北海道新聞、11/10)
PCB廃棄物の保管には、環境省令で定める資格を有する「特別管理産業廃棄物管理責任者」の設置が義務付けられていますが(廃棄物処理法第12条の2第6項)、苫小牧市は、すでに退職した職員や資格のない職員を管理責任者として報告していたそうです。PCB廃棄物の適正管理を指導する立場の自治体が率先して法を犯すとは、情けなくなります。
今回のようなケースについては、資格を有する特別管理産業廃棄物管理責任者を設置していなかった言うことで、30万円以下の罰金に処せられます(廃棄物処理法第30条)。
PCBは、廃棄物処理法で規定する特別管理産業廃棄物に該当するので、「特別管理産業廃棄物管理責任者」を設置する必要があります。「特別管理産業廃棄物管理責任者」は、環境省令で定める資格を有するものである必要があり、廃棄物処理法施行規則第8条の17第2項に定められています。
「特別管理産業廃棄物管理責任者」の資格は、(財)日本産業廃棄物処理振興センターが開催する"特別管理産業廃棄物管理責任者講習"を受講することにより取得できます。受講料は11,550円。問い合わせ先は、(財)日本産業廃棄物処理振興センター(TEL.03-3668-7311)、または各都道府県の産業廃棄物協会です。
特別管理産業廃棄物管理責任者の役割は以下の通りです。
・特別管理産業廃棄物の排出状況の把握
・特別管理産業廃棄物処理計画の立案
・適正な処理の確保(保管状況の確認、委託業者の選定や適正な委託の実施、マニフェストの交付や保管等)
[参考Link]
・「PCBをなくすために」->クイックガイド->PCB廃棄物の管理方法
・(財)日本産業廃棄物処理振興センター
->特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会
->産廃知識 特別管理産業廃棄物管理責任者
特別管理産業廃棄物管理責任者の問題点について以下に述べます。
1.講習会はすぐに定員超過
05年11月から06年3月まで、全国42箇所で講習会が開催されますが、本日(05年11月12日)時点で、空きがあるのは以下の6箇所だけです。
06年2月 9日(木) 千葉 締め切り間近
06年2月16日(木) 群馬 ○
06年2月24日(金) 長野 ○
06年3月 8日(水) 埼玉 ○
06年3月 8日(水) 東京 ○
06年3月17日(金) 神奈川 ○
今回ニュースになった苫小牧市の担当者がもっとも早く講習を受けるとすれば、2月の千葉か群馬となり、廃棄物処理法違反があと3ヶ月続くことになります。
2.今回のようなケースは氷山の一角
たとえば、PCB廃棄物を数台しか保有していないような中小企業、倒産してPCB廃棄物を個人で保有している方、学校や小規模のビルで安定器や廃感圧紙を保管しているような普段特管物と縁のない方などの場合、講習会を受けるだけとはいえ、「特別管理産業廃棄物管理責任者」の設置は大きな負担だと思います。
数年前、セミナー講師をしたときに、会場から「自宅でPCB廃棄物を保管している。役所に相談したら管理責任者欄は母親の名前でもいい、と言われた」と言う方もいらっしゃいました。特別管理産業廃棄物責任者の有資格者が管理を行う必要があるので、もう一度役所に相談して欲しいとコメントしましたが、このような事例は他にもあると思います。
解決策として、
1.自治体が中心となって、集中保管・管理を行う
例えば、自治体のPCB廃棄物保管施設が複数箇所(*)あれば、それらの廃棄物を1箇所か数カ所に集約し、余裕のできた保管場所に、中小企業や個人が保管しているPCB廃棄物をまとめて保管することはできないでしょうか?
また、今後、無害化処理が終了した大手企業のPCB廃棄物保管場所について、自治体等が一時借り受けて、公共の保管施設にすることはできないでしょうか?
*前述の苫小牧市の場合は12箇所の公共施設で保管しているそうですし、北九州市では1箇所にまとめて保管しています。また、教育委員会が管轄する公立の学校に保管してある蛍光灯安定器などをまとめて保管している事例もあります。
PCB特措法によりPCB廃棄物の譲渡と譲受けは制限されていますが(PCB特措法第11条)、地方公共団体に譲り渡す場合と地方公共団体が譲り受ける場合はこの対象から除外されます(PCB特措法施行規則第7条)。
保管施設を集約することで、保管管理や処理を適正かつ効率的に行う事ができますし、管理責任者も少人数ですみます。
PCB廃棄物保管施設周辺住民の合意等、難しい点もあると思いますが、検討して欲しいと思います。また、以前から言っていますが、都道府県や政令市等が定めるPCB廃棄物処理計画でも盛り込んで欲しいと思います。
2.管理の外部委託 ※専門の方、教えてください!
これは、私の勉強不足なのでご存じの方は教えて欲しいのですが、特別管理産業廃棄物管理責任者は、その事業所の社員/職員でなければならないのでしょうか?また、常時雇用者である必要があるのでしょうか?
管理の外部委託が可能であれば、廃棄物処理協会なり中小企業関係の団体などが
特別管理産業廃棄物管理責任者を雇用し、複数の保管事業者のPCB廃棄物を管理できないか?
どなたか法律的にどの様になっているのか、また実状はどうなのか、教えてください。私が持っている資料には、特別管理産業廃棄物管理責任者を設置するとしか書かれていないので。
PCB廃棄物の保管には、環境省令で定める資格を有する「特別管理産業廃棄物管理責任者」の設置が義務付けられていますが(廃棄物処理法第12条の2第6項)、苫小牧市は、すでに退職した職員や資格のない職員を管理責任者として報告していたそうです。PCB廃棄物の適正管理を指導する立場の自治体が率先して法を犯すとは、情けなくなります。
今回のようなケースについては、資格を有する特別管理産業廃棄物管理責任者を設置していなかった言うことで、30万円以下の罰金に処せられます(廃棄物処理法第30条)。
PCBは、廃棄物処理法で規定する特別管理産業廃棄物に該当するので、「特別管理産業廃棄物管理責任者」を設置する必要があります。「特別管理産業廃棄物管理責任者」は、環境省令で定める資格を有するものである必要があり、廃棄物処理法施行規則第8条の17第2項に定められています。
「特別管理産業廃棄物管理責任者」の資格は、(財)日本産業廃棄物処理振興センターが開催する"特別管理産業廃棄物管理責任者講習"を受講することにより取得できます。受講料は11,550円。問い合わせ先は、(財)日本産業廃棄物処理振興センター(TEL.03-3668-7311)、または各都道府県の産業廃棄物協会です。
特別管理産業廃棄物管理責任者の役割は以下の通りです。
・特別管理産業廃棄物の排出状況の把握
・特別管理産業廃棄物処理計画の立案
・適正な処理の確保(保管状況の確認、委託業者の選定や適正な委託の実施、マニフェストの交付や保管等)
[参考Link]
・「PCBをなくすために」->クイックガイド->PCB廃棄物の管理方法
・(財)日本産業廃棄物処理振興センター
->特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会
->産廃知識 特別管理産業廃棄物管理責任者
特別管理産業廃棄物管理責任者の問題点について以下に述べます。
1.講習会はすぐに定員超過
05年11月から06年3月まで、全国42箇所で講習会が開催されますが、本日(05年11月12日)時点で、空きがあるのは以下の6箇所だけです。
06年2月 9日(木) 千葉 締め切り間近
06年2月16日(木) 群馬 ○
06年2月24日(金) 長野 ○
06年3月 8日(水) 埼玉 ○
06年3月 8日(水) 東京 ○
06年3月17日(金) 神奈川 ○
今回ニュースになった苫小牧市の担当者がもっとも早く講習を受けるとすれば、2月の千葉か群馬となり、廃棄物処理法違反があと3ヶ月続くことになります。
2.今回のようなケースは氷山の一角
たとえば、PCB廃棄物を数台しか保有していないような中小企業、倒産してPCB廃棄物を個人で保有している方、学校や小規模のビルで安定器や廃感圧紙を保管しているような普段特管物と縁のない方などの場合、講習会を受けるだけとはいえ、「特別管理産業廃棄物管理責任者」の設置は大きな負担だと思います。
数年前、セミナー講師をしたときに、会場から「自宅でPCB廃棄物を保管している。役所に相談したら管理責任者欄は母親の名前でもいい、と言われた」と言う方もいらっしゃいました。特別管理産業廃棄物責任者の有資格者が管理を行う必要があるので、もう一度役所に相談して欲しいとコメントしましたが、このような事例は他にもあると思います。
解決策として、
1.自治体が中心となって、集中保管・管理を行う
例えば、自治体のPCB廃棄物保管施設が複数箇所(*)あれば、それらの廃棄物を1箇所か数カ所に集約し、余裕のできた保管場所に、中小企業や個人が保管しているPCB廃棄物をまとめて保管することはできないでしょうか?
また、今後、無害化処理が終了した大手企業のPCB廃棄物保管場所について、自治体等が一時借り受けて、公共の保管施設にすることはできないでしょうか?
*前述の苫小牧市の場合は12箇所の公共施設で保管しているそうですし、北九州市では1箇所にまとめて保管しています。また、教育委員会が管轄する公立の学校に保管してある蛍光灯安定器などをまとめて保管している事例もあります。
PCB特措法によりPCB廃棄物の譲渡と譲受けは制限されていますが(PCB特措法第11条)、地方公共団体に譲り渡す場合と地方公共団体が譲り受ける場合はこの対象から除外されます(PCB特措法施行規則第7条)。
保管施設を集約することで、保管管理や処理を適正かつ効率的に行う事ができますし、管理責任者も少人数ですみます。
PCB廃棄物保管施設周辺住民の合意等、難しい点もあると思いますが、検討して欲しいと思います。また、以前から言っていますが、都道府県や政令市等が定めるPCB廃棄物処理計画でも盛り込んで欲しいと思います。
2.管理の外部委託 ※専門の方、教えてください!
これは、私の勉強不足なのでご存じの方は教えて欲しいのですが、特別管理産業廃棄物管理責任者は、その事業所の社員/職員でなければならないのでしょうか?また、常時雇用者である必要があるのでしょうか?
管理の外部委託が可能であれば、廃棄物処理協会なり中小企業関係の団体などが
特別管理産業廃棄物管理責任者を雇用し、複数の保管事業者のPCB廃棄物を管理できないか?
どなたか法律的にどの様になっているのか、また実状はどうなのか、教えてください。私が持っている資料には、特別管理産業廃棄物管理責任者を設置するとしか書かれていないので。