会稽山録

思いつくまま会稽に関する事柄を記録します。

アイスランドの憂鬱

2009年01月04日 | Weblog
 人口31万人弱の北極圏にある北海道と四国を合わせた程度のこの島が、いま国家破綻の危機にある。歌手ビョークにみられる独自の文化を持ち、国内の電力はほぼ全てが水力発電と地熱発電のクリーンエネルギーによって発電されている。また福祉が充実した国として有名であった。ところが2008年9月、アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界金融危機により、アイスランド経済は危機に陥った。
 今日のTBS「サンデーモーニング」でゲイル・ホルデ首相はその原因を次のように分析した。まず「富は人を変える」と前置きし、
 1.銀行が大きくなりすぎた。
 2.規制緩和の弊害
をあげ、高金利政策で世界から金を集め、投資会社と通じ企業買収を繰り返し、経済が金融ビジネスに依存したことを反省していた。
 このことについて元銀行家のラグナー氏は、「銀行家は目先の利益を追及するのみだった。2007年GDPはアメリカの50%もアップし、政府はこのような『パーティ』を直ぐ止めることをしなかった。世界の金融センターになりたかったのだ。アイスランドは錬金術を覚えてしまった。それが今日の結果を招いている」と語った。
 そしてグリムソン大統領は「世界の国はアイスランドを他山の石とすべきである」と述べた。