KAWORUの山日記~今日も雲の上!

百名山や日本アルプスの旅の記録

超光速航行は可能か?~SFと宇宙旅行 その1

1999-01-01 00:00:00 | 星空の案内

◆秋から冬にかけて、南の空高くにぼんやりと雲のようなものが見つかります。これは、アンドロメダ銀河と呼ばれ、肉眼で見える最も遠い天体です。残念ながら市内では双眼鏡の力を借りなければ見つけるのは難しいでしょう。実はこれは3千億個の太陽の集まりで、私たちの銀河系宇宙の外にある別の銀河です。南半球で見える「大マゼラン星雲」や「小マゼラン星雲」もこれら銀河の仲間です。宇宙全体には、このような星の大集団が1千億以上もあるといわれています。

◆アインシュタインによると光の正体は粒子です。光の粒子は1年間に約10兆㎞も進みこの距離を「1光年」と呼びます。地球からこのアンドロメダ銀河までは230万光年も離れています。もし、スペースシャトルで向かったとしても到着するのは700億年先。「スタートレック」のエンタープライズ号が最大ワープ(光速の2千倍)で飛んだとしても千年以上かかってしまいます。230万光年という距離はSFの世界でも手に負えないほど遠いということになります。

◆ところでSFではおなじみの「ワープ(超光速航行)」ですが、アインシュタインは実現不可能だといっています。質量のある物は光の速度を超えられない、というのが彼の理論です。しかし「ワームホール」で空間の瞬間移動ができると考えている学者もいます。まず、太陽ぐらいの星を数㎞の大きさに圧縮するとブラックホールになります。そうして作った2個のブラックホールを特殊なチューブでつなぐと「ワームホール」の完成です。「ディープ・スペース9」のワームホールは7万光年彼方の宇宙につながっています。「イベントホライゾン号」のブラックホールエンジン、「スターゲイト」の古代遺跡、「コンタクト」の瞬間移動装置、「ドラえもん」のどこでもドア、「宇宙戦艦ヤマト」の波動エンジンなど最近のSFではワームホールがよく使われています。また、ワームホールは空間移動だけでなく時間移動もできる便利なもので、「タイムトンネル」はその1例です。

◆「2001年宇宙の旅」では豪華な宇宙ステーション、月への定期便、惑星間ロケットなどが描かれています。科学技術の進歩はSFのようにはいかないものですが、そのうち人類は太陽系の外まで足を延ばすことでしょう。そして、いつの日にか夜空に輝く星々を旅することも夢ではなくなるでしょう。しかし、私たちにとってアンドロメダ銀河に行くことは、タイムマシンを作ることと同じくらい遠い夢物語かもしれません。


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