今日は犬と猫を連れて動物病院へ行ってきました。
年に1度のワクチン接種の日なんだよね。
これをしないと大変な事になってしまうのだ。
犬のあっくんは幼き頃、恐ろしいパルボとゆう感染症にかかってしまったのだ。
このパルボとは、他の感染しているワンコを触った手で触れたり、空気感染もしてしまう本当に恐ろしい病気だ。
うちの子はどうやらペットショップですでに感染しており、我が家に来た3日目で発症してしまったのだ。
そもそも、あっくんとの出会いは私がペットショップで働いてたのがきっかけなんだけど、商品として入荷されてきたあっくんは、それはそれはかわいかった。
しかし、私はその売られていく動物たちをとても愛しく思う反面、情が移ってはいけないので、「かわいい」と思うだけの気持ちに留め、欲しいという気などを起こさないように動物たちを商品としてみていたのだ。(もちろん無理なんだけどさ)
ペットショップで働くってゆうのは、とても楽しげな仕事に思われがちだが、裏はもうそりゃ大変でした。
一匹一匹の体調管理と、朝・晩の動物たちが入ってる部屋の消毒。
感染しないように、何かを触ったときはすぐに常に手を消毒、
などなど書ききれない事もあるんだけど、本当に体力のいる仕事でした。
でもまぁ、その店によっても適当にやってるくっさい店や、私が居た店のように臭いひとつさせない徹底した店など様々だけど。。。
どんなに徹底しててもやっぱり色んな人たちが来るので、案外店内は菌だらけだったりするんだよね。
弱い子犬は感染してしまったりして、悲しい現場も見てきたりしました。
そして、まさかうちの子も感染してたとはね・・・・
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私が働いてた店は常に50匹以上の犬猫たちがいました。
子犬や子猫たちはとてもかわいいし、見てるだけで癒されました。
だからどんなに仕事がキツくても、給料が安くても、みんなも文句言わずに働いてたんだよね。
そんな頃、ミニチュアダックスが入荷されたのだ。
とってもかわいく、綺麗なチョコタンの男の子と、店の看板ポスターにも選ばれるほどに綺麗な模様のダップルの女の子の兄妹。
私はそのチョコタンの男の子にくぎ付けになりました。
本当にかわいくて、無駄吠えひとつせず、愛らしい顔だち。
この2匹はお客さんたちをもとりこにしていました。
綺麗なアーモンド型の目、絶妙なバランスの眉の形、クルンと上に向いて生えた睫毛、そして形の良い顔と鼻、癖のかかったクルクル縦ロールの耳毛。
あまりにもかわいいからすぐ売れるだろうなーと思っていた。
妹のダップルの子はすぐに飼い主さんが決まりました。
そして、チョコタンの男の子もかなり注目されている。
この子ともすぐお別れだよなー・・・嫌だなぁ・・・などと、思っていると誰にも渡したくない!という気持ちになった。
そして、売る立場のくせして、
心の中でお客さんに向かって
「頼むからこの子を見るな!!見てんじゃねぇよ!!」 という気持ちになってしまいました。
そしてすぐ店長に相談。
「どうしてもあの子が欲しいんです、誰にも渡したくない!!」
すると、店長はそのチョコタンの繁殖者を見て、「うん、この子ならいいんじゃないか?しっかりした良いブリーダーのところで生まれてるな。血統もなかなかいいわ。でも、ダックスは吠えるぞ?」なんてアドバイスを貰い、私は休み時間に彼氏に電話をして、犬を飼うことを説得したのだ。
もちろん、猛反対だったけど、私はそれ以上の熱意で猛説得したのだ。
「お願い!!!
愛してるから!!!
飼っていいでしょ!?」
こんなときこそ必殺・愛の言葉攻撃が絶大である。
そして大反対だった彼氏を説き伏せ、私は犬を迎え入れることを決め、仲間のみんなに、あの子を飼うの!と宣言した。
その晩、彼氏と珈琲館へ行き、コーヒーを飲みながら明日迎え入れる我が子の名前を決めるため、いくつもの名前の候補を挙げて何時間もその店にいた。
彼氏は「レモンかミントがいい」と言った。
私は「チョコ色だからココアがいい」と言った。
結局そのときは何時間考えても決まらないので、コースターの裏などにその子が大きくなった姿の想像図などを描いて彼氏に見せたりしていた。
反対していた彼氏もその気になってきて、楽しみそうにしていた。
次の日、私は自分の働く店に予約しておいた我が子になるべくして生まれた運命の子犬を迎えに行ったのだ。
店では勉強のために、犬の飼いかたの説明を1から聞き、生命保険に入り、ご飯やゲージ一式を特価価格で購入して契約したのだ。
子犬はトリマーさんの手で完璧にかわいく仕立てあげられていた。
「とうとう、この子がうちの子に・・・・」
考えただけで、店内で絶叫したくなった。
契約成立したあとは、大事にその子を持ち帰り、私も前日は楽しみで一睡もしていなかったので、とりあえず寝ることにした。
彼氏が仔犬を見たときの顔は忘れない。
あんなに反対していたのに見た瞬間メロメロになっていた。
そして、仔犬を迎い入れた日にしなくてはならないある決まりがある。
それは、店から家に連れ帰ったら仔犬をすぐ部屋に放したり触ったりせず、ぐっすり眠らすことだ。
それと、最低2週間は夜鳴きをしても、ご飯を与えるときと、部屋を掃除するとき以外は構ったり目を合わせてはいけない。
居ないものとして、飼い主は普通の生活を普段通りすること。
ひどいようだが、これは犬を飼うときの鉄則だ。
泣いたり吠えたりしても、構ってくれないってことを覚えさせないといけないからである。
最初にこれを間違えると、吠えたら構ってもらえる、寂しいときや気に入らないときは吠えればいい。と犬は覚えてしまう。
なので、私たちは2週間耐えようと決心した。
そして仔犬に気づかれないように、おもちゃで遊び振り回す仔犬をニヤニヤと横目で見ていた。
すると、無駄吠えもしないし、夜鳴きもしなかった。
仔犬の名前は目が青かったので「アクア」と決めた。
アクアは自分の部屋で元気に遊び転げ回っていた。
ところが・・・3日目の朝、私たちが仕事に行こうとしても起きず、いつもならシッポを振ってこちらを見てるはずなのに、ピクリとも動かないのだ。すごく ぐったりしていた。
おかしいな・・・・。昨日まで暴れてたはずなのに・・・・。
わたしはすぐに店長に電話をした。
「なんか様子が変なんです。下痢をしてるんです。体も熱いし、動かないんです。いつもならシッポを振ってるのに・・・様子を見たほうがいいでしょうか?」
「いや、今日は休んですぐ病院に連れていけ!うちの店の専属の病院に連れていくんだ!」
そう言われると不安になり、彼氏とすぐ病院へ行った。
車の中でもアクアはぐったりしてハァハァしていた。
でも、私に抱かれて嬉しそうな顔をするのだ・・・。
でも必死に息をして、楽な体勢をさがそうとしている。
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病院での診察の結果、
パルボウイルスだった。
パルボ = 死
手遅れだと、発症して半日で死んでしまう子もいる。
体力と免疫のない仔犬はすぐ命を落とす。
それは知っていた。全身から血の気が引いた。
私のアクアがあのパルボに感染・・・・・・・・・・・・
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アクアは緊急入院した。
うちに来てからまだ3日なのに。
昨日まで頭を振り投げておもちゃで遊んでいたのに。
まだ散歩もしてないのに。
抱きしめてもいないのに。
あの小さな体でウイルスと戦うの?感染したすごく危険なウイルスと戦うの?
アクア・・・・・・
かわいそうに・・・・・
まだ小さいのに・・・・・・・
私は泣き崩れた。
3日しか一緒にいなくても、ずっとアクアを見てたのだ。
あのかわいい子が死んでしまうかもしれない・・・・・。
半分覚悟をして、アクアを病院に任せた。
全力で尽くすとゆう病院側の言うことを信じた。
泣きながら仕事へ行った。
仲間のみんなもアクアを心配してくれ、「大丈夫だよ!!」と常に私を励ましてくれた。
泣いてても仕方がないので、私は明るく振舞い仕事に集中した。
でも、影ではアクアの事を思い出し、一人で泣いていた。
そんなとき、店長に個室へ呼ばれた。
「仔犬だがな・・・かなり悪い状態らしい。普通なら希望を捨てるなと言いたいが、今はもう覚悟しといてくれとしか言えない状態なんだ・・・たぶん今日が山場だ・・・乗り越えられるかどうかはあの子の生命力しだいだ。でも、助かる確立は5%もない・・・」
私は死の宣告をされ泣き崩れた。
店に彼氏に迎えにきてもらい、車の中で泣いた。
「アクアが・・・アクアが・・・ダメだって・・・・覚悟してくれって・・・・かなり悪くてたぶん助からないって・・・・・うぅぅぅぅ」
グシャグシャに泣いた。
もうどうしていいのかわからずただただ声を上げて泣いていたのだ。
ところが、彼氏は怒った。
「泣いてどうする!!助からないって決めてどうする!!アクアはがんばってるんだぞ!!!たとえ医者や店長が助からないと言っても俺は信じないぞ!!そんな事言う奴のことなんか信じないからな!!俺はアクアを信じてる!!俺たちだけでも信じなくてどうするんだよ!!5%の確立があるなら俺はその5%を信じる!!」
次の日、店長になんとか犬は生き延びたそうだ、と聞かされた。
ただ、まだ油断できない状態だけど、病院に行って顔を見せに
行って来いと面会の許可がおりた。
そして、悲しい顔をせず、普通に笑って会ってこい、と言われた。
そして、私たちはアクアに面会に行き、普通に声をかけた。
「ア~クア!元気ぃ?頑張ってる~?早く元気になって
散歩行こうね!!楽しみにしてるからね!!
絶対帰ってこいよ!!待ってるからな!!」
そうやって、悲しい顔は一切見せなかった。
しかし、アクアはまだぐったりしており、目だけを動かし、
顔を動かすことはしなかった。
起き上がらない我が子を見るのは辛かったけど、第一段階の山場を越えたので少し安心した。
しかし、すぐに様態が悪くなったようで、また店長に呼ばれたのだ。
「まだ助かるとゆう保証はないんだがな・・・まぁ、頑張ってるよあの子・・・まぁ、祈っててやれ・・・」
どんなに待っても「もう大丈夫だ!」とゆう答えは返ってこないのだ。
それから私と彼氏はウイルスやパルボについて、かなり調べた。
彼氏はPCで検索しまくり、私は分厚い専門書を読み漁り、希望を捨てずに毎日祈った。そして、また店長に呼ばれる。
「また山場だ、やっぱりひどいな・・・でもな、ここまで頑張ってるんだ、なんとかなるかもしれないな。油断は出来ないが・・・でも万が一の事も覚悟だけはしておくように」
アクアは3度も死の宣告をされた。
飼い主の私もボロボロだ。
それでも泣きながら仕事には行く。
でも、彼氏一人は「絶対生きる」と勝手に確信しており希望を持っていた。
( 2へ続く)