大学でもマアジに実験に協力して頂き
論文を書いて卒業できたので
マアジは仲間っていうのかな、
魚のなかでも特別な存在です。
アジの水揚げ日本一の
長崎県にある魚市場に住み込んで
実験をさせて頂いたのですが
魚市場のＴ常務が教えてくれました。
マアジは気分が良いと
金色に輝くけど
イライラすると黒っぽくなって
体に黒いシマシマまで出てきちゃうって。
実験中もいろいろな表情をみせてくれたマアジ。
卒業して魚屋さんに就職して
つらいことがあっても
大量のマアジに出会えると
仲間に囲まれているようで
心強かったな～。
今では
ホレボレしちゃうくらい金色で美しいマアジに
出会えるのは海の中だけなのだけど
先週、夏休みをもらって
伊豆のダイビングツアーに参加しました。
そこで
久々に出会ったマアジは
向こうから
横向きになって泳いできました。
今まで数えきれないマアジを見てきたけど
横向きに泳ぐマアジは初めて。
？？？？
よく見ると
尾ひれの付け根あたりに
釣り針が引っかかり
うまく泳ぐことができないのでした。
その釣り針は
きっと釣り糸が切れてしまって
海底に落ちたもので
糸がどこかに引っかかり
針に魚がかかっても
永遠に釣りあげられることない
ゴーストフィッシングという現象でした。
釣り主がいないなら
はずしても良いね、
それならばと
マアジをムンズとつかんで
釣り針をはずしました。
針のとれたマアジは
信じられないくらい元気いっぱい
相変わらず金色に輝いて泳いでいきました。
元気に泳いでいったマアジの姿が
嬉しくて嬉しくて
一緒に潜っていた母からは
「魚屋の手つきだった」と驚かれ
皆さんに拍手して頂きました。
人生において輝かしい瞬間って
ほとんどないけど
この時ばかりは
「あぁ、魚屋さんしていて良かった」と思えた
自分の人生、良かったなぁ！と思えた一瞬でした。
この日の朝には
マアジの干物を食べ
この日の晩には
マアジのタタキを食べたけど
マアジがやっぱり好きだし
残さずいただきます。
