
●お好み焼き『道頓堀』のイメージ写真
大分前にランチを食べに行ったことのあるお好み焼き店「道頓堀」の「ぽんぽこぽん」の〝挨拶ことば〟が何の脈絡もなく懐かしさを伴って思い出されたのが昨日のことである。いつもランチをどこの店の何を食べるかで時々苦労するのだが、今回は最初から道頓堀のお好み焼きを食べたいと決まっていた。正直に言えば、あの「いらっしゃいませ、ぽんぽこぽん」が聞きたくて出かけたようなものである。以前、何回か食べたことがあるから、味のほうには心配はなかった。
それにしても、何故「ぽんぽこぽん」というのか不思議である。玄関前に飾ってあるたぬきの縁起物と関係があるのだろうか。有名な「ぽんぽこ狸」の話があるではないか。
11時半の開店に合わせて訪ねた。女性スタッフの「いらっしゃいませ、ぽんぽこぽん」という挨拶とともに、レジを終えた帰りには別のスタッフが「ありがとうございました。ぽんぽこぽん」と言ってくれたので出かけた甲斐があったというものだ。
掘りごたつタイプの席の隣の壁には「当店人気メニューベスト5」なるものが貼ってあった。一位は「ミックスお好み焼き」で5位に「特別ミックスお好み焼き」と紹介していた。メニュー表であえて確認はしなかったが、おそらく特別のほうにはさらに別な多少高い具材が入っているのではなかろうかと勝手に想像した。私たちは迷うことなく、当店の人気ナンバーワンニューを注文した。ここの店では「もんじゃ焼き」も「ビフテキ」も扱っていた。もんじゃ焼きの記憶はあったが、ビフテキもやっていたとは知らなかった。ビフテキをセルフで調理するのはちょっとばかり抵抗がある。
ところで、お好み焼きともんじゃ焼きの違いについて以前も聴いたことがあった気がするが、完全に忘れているようだ。店のスタッフに訊いたら、卵が入るか入らないか、水の量が多いか少ないか、従って焼き方も自ずと変わってくると。お好み焼きのほうは固めに焼けるが、もんじゃ焼きのほうは固まりにくいのでヘラで直接救って食べるというのだ。当然、食感や味覚の違いもあるから、この辺は好き好きに応じて注文して楽しむのがよいだろう。
お好み焼きももんじゃ焼きもさらにはたこ焼きも属に〝粉もん〟として有名な食べものである。三嶋神社の夏の宵宮のときには数多くの屋台が出るが、その中に「広島お好み焼き」「明石お好み焼き」という名称で調理・販売している露店が数軒ある。明石はお好み焼きのほか、もんじゃ焼きやタコ焼きのほうでも有名なようだ。ちょっと調べた結果、お好み焼きの本場は関西の大阪らしい。そしてもんじゃ焼きに関しては明石よりも、東京の月島のほうが有名ということは知らなかった。いずれにしても、粉もんの食文化もほかのメニューとともに、独特なうまさを持っているので、今後も食べていこうと思う。