週の真ん中にポツっと浮んだ祝日の午後。
実に「家政婦は見た!」再放映が似合うシチュエーションですねぇ。
んな訳ですから、本日放映された再放映、じっくりと堪能しやした。
今回の再放映は2003年に放映された21作目で副題が
「大財閥デパート王の表と裏の二つの顔!妻、料亭女将、宝石商…影の家族の相関図」
でした。
この副題にもある財閥デパート王の家が本作の舞台で、このデパート王、経営の失敗
から多額の負債を抱えデパートの会長職は辞任したものの、未だ株の31%を握り
デパートの現経営陣に睨みを聞かす大人物。
そんな、秋子も感心する大人物がラストでは、「家政婦は見た!」史上、一、二を
争う悲惨な結末を迎えるという、導入部から結末にかけての凋落振りは凄まじい
ですね。
そんな悲劇的な人物を北村和夫さんが好演されているのですが、特に後半の
頼りにしていた面々に裏切られ憔悴し、最後は脳卒中だかなんだかで倒れてしまう
という辺りは鬼気迫るものでした。
ちなみに北村和夫さんといえば市原悦子さんとは映画「黒い雨」で共演されて
いましたね。他にも桜乙女でお馴染みの石橋蓮司さんだとか、家政婦は見た!でいえば
2話目の奥様だった梶芽衣子さんだとか、7話の南田洋子さんだったり、充実した
俳優陣でしたね。
って、これはまぁ、余談ですが。
で、北村さん演じるデパート王がラスト、引揚げようとする秋子の袖を車椅子に座った
まま掴んで離さない。
誰もいなくなった今、頼れるのは秋子だけという訳ですが、秋子の立場からすれば
いい迷惑というか、これまで経済的にも支援されていながら離れていった面々の事
を思えば、頼られる筋合いもない。
という訳で、必死に逃げようとする秋子でしたが、そのままデパート王を引きずって
倒れこんでしまい、怪我を負ってしまう。
この怪我のシーンは定番なのですが、いつものちょっとペーソス入った感じではなく
て、重々しい感じでしたね。
まぁ、このデパート王にはリア王で言うところの末娘は存在しなかった、と。
先に史上一、二を争う悲惨な結末と書きましたが、やっぱり一番悲惨かなぁ、これ。
とはいうものの、決して重々しいまま話が進んでいった訳でもなく
夕刊紙記者につい話してしまった内容が、記事になり、「家政婦は見た」と見出しに
されてしまい、謝ったり、デパートの不祥事に集まった記者連に囲まれて、政治家の
ようなコメントで逃げおおせたりなどの思わず頬が緩むエピソードも挟んでいたりな
ど、まぁ面白さは変わりませんでしたがね。
前半の重厚感を伴う格調の高さと、合間のユーモア、そしてラストでの悲劇と
やっぱ、「家政婦は見た!」は二時間ドラマの高い頂に位置すると、申しても過言
ではないですね。
ところで本作では、冒頭の秋子の歌唱シーンが
ないんやね。変わりに都はるみのCD(いや、テープやろね)が
ラジカセから流れている、という全26話中唯一、秋子が唄わない
エピソードやね。