ちょっとNTT X-STOREよりコピペ
東京タワーが完成を見る、昭和33年。東京の下町にある夕日町三丁目では、人情味あふれる住民たちが、毎日にぎやかに暮らしていた。そんなある日、鈴木則文とその妻子が住む小さな自動車修理工場・鈴木オートに、集団就職によって上京してきた六子がやってくる。立派な会社を期待していた六子は、実際の就職先に、どこかがっかりした様子を見せていた。一方、駄菓子屋の店主にしてしがない小説家の茶川竜之介は、ひょんなことから、身寄りのない少年・淳之介と同居することになり…。
映画館で観なくて良かったんじゃないかと思いましたよ。いやいや恥ずかしながらほろりとするなんてものじゃありません。もう嗚咽に近い。たまたま家族が誰もいない時間に観て良かった。心も体も弱りきったこんなときにお酒が入って観た日にゃもう号泣。
昭和33年は生まれてません。ただ30年代中盤過ぎ生まれの僕にとっては映画に描かれる背景はリアルタイムに近いノスタルジック感。ミゼットは記憶にないけど駄菓子屋も八百屋も白黒テレビも原体験。スーパージェッターやマグマ大使を初めて見たのは確か白黒テレビだったはず。江戸川区の当時で築30年くらいの長屋。トイレはもちろんぽっとんだし風呂?あったんだろうがどうやって湯を沸かしてたのか。電話なんてもしかしたら家にはなかったのかも。そういえば転んで破れたズボンはつぎあてだったよ。薄れてきた記憶の中でも感覚的な懐かしさが妙に心に訴える。
ユビキタスからは正反対にある人間の体温感覚。これがこの映画のキモなんでしょう。背景も人物表現もその「体温」が全てのベースにある。この映画の元になった原作漫画のエピソード集を読んでおいたのですが、映画でもその「体温」が見事に表現されていると感じます。親が子を殺める事件が起こるような時代。親子の情愛、実の親子じゃないのに離れられなくなる人間愛、そして男と女の心に染み入る愛情。随所に体温を感じられる愛情表現がちりばめられてます。
ヒルズやお台場やみなとみらいに妙な違和感を感じる僕の神経構造は、その無体温さを根本的に受け付けないんでしょう。だから千駄木や谷中や浅草や大塚や上野が好きなんだろな。ビットヴァレイでも富士屋本店みたいなとこ探し出して行っちゃうくらいですし。キッチンABCもその類かな。
まだ観てない方はティッシュを近くに置いておくのを忘れずに。誰かと観るのもいいかもしれませんが泣くの我慢するのも体に悪いです。一人で夜中とかに観て号泣するのもたまにはいいものですよ。
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