“カ・ノ・ン”

映画を見た後の余韻をしたためて。。。カノンの旋律のように・・・♪

「隣の男」

2005-06-28 | Theater
作・演出:岩松 了
出演:大森南朋、鈴木砂羽、戸田昌宏、久遠さやか
鑑賞:2005年6月15日(初日)22日(千秋楽)
   於:本多劇場

<Story>
 昭和初期(?)に作られた都内の旧い木造の眼鏡屋が舞台。
眼鏡屋の店主:竹田(大森南朋)の家に遊びに来る宇野(戸田昌宏)とその妻:八千代(鈴木砂羽)の3人が織り成す、シュールで不思議な岩松了ワード(?)

 竹田の家に宇野が遊びに来る。妻の八千代の話をしているが、竹田気に留めない様子で、右手を気にしている。「なんでもないよ!」
突然宇野が「『天井の染みが、りんごに似ている』と八千代から聞いた」と切り出した途端、竹田があわてて、しどろもどろに。。。
そこに八千代がチーズケーキを2個持って尋ねてきた。夫の宇野が居るとも知らずに・・・
「ケーキは2個しかないのよ。あなたと食べようと思ったから・・・」(「あなた」とはどちら?)
宇野が帰り、八千代は竹田との関係を兄に話したと告げる。イヤリングを外して「帰りたくない」という八千代に「早く寝るから・・・」と。。。
茶箪笥の上に合ったはずの八千代が贈った置物がなくなっていた・・・。

 夜中に飛び起きた竹田は置物を庭に埋めるて、安心したように床につく。

竹田は眼鏡店の二階を「独身女性限定」で間貸ししようと看板を出していた。そこに若い女:宮地(久遠さやか)が借りたいと表れる。若く綺麗で元気はつらつの宮地に人目ぼれする竹田・・・
(ここで、竹田の一人芝居! シュールというか? オオボケというか???)

竹田の家に宇野と八千代が居る。二人でロッキングチェアーに紐(腰紐?)を括り付け遊んでいる。「側に来てよ!寂しいから・・・」と宇野に言う八千代。。。
しかし、宇野が台所に行っている間に、八千代が竹田に迫ってくる。「やめてくれ・・・」執拗に迫る八千代。。。「兄さんにはお前がきちがいというんだ。」と。。。
宇野が入ってきて、何もなかったように振舞う二人。八千代が一人で帰り宇野と竹田が残っている。

 眼鏡の修理に隣の畳屋:平岡(小林薫)が訪れる。竹田と平岡との5・6語の会話で劇場が大騒ぎ!!!

 ロキングチェアーの紐を互いに首に掛けて、竹田と宇野が喧嘩を始める。そうこうしているうちに宇野が動かなくなってしまう。あわてて救急車を呼ぶが、死んだ振りをしていた宇野。二人の喧嘩は終わって宇野が帰っていく。

 真夜中、布団にから飛び起きた竹田。突然、八千代が朗読したテープを聴いている。「まだ上げ染めし前髪の・・・」「もう少し可憐に、あどけなく・・・」笑い声。。。
 突然、八千代が布団から出てくる。ブルーのワンピースに着替える八千代。八千代はキスをしようと八千代に迫る竹田を上手くかわし、二階に上がっていく。。。
 あわてて、庭に埋めた置物を掘り出して、土の付いた置物を拭いている。突然の電話、カセットを「サーフィンUSA」に変え、ボリュームいっぱいに上げる。
 ゴキブリが茶箪笥の後ろから、必死になって追いかける竹田。右手が。。。「なんだ・・・これは・・・」
「サーフィンUSA」が陽気に流れている。。。(暗幕)

kanon の評価:♪♪♪♪(♪:1点)

「隣の男」は1990年(15年前)に岩松了さんが竹中直人さんの為に書き下ろした作品です。今回は大森南朋さんと戸田昌宏さんの為に再演された。

<Comment>
 初日と千秋楽に行った。大森さんのお芝居は今回で3度目。昨年の「レンズ」(小林賢太郎:作・演出)、3月の「ラヴレターズ」、そして今回。
「レンズ」の時は声は出ないは。。。緊張は丸出しだは。。。で、見ているほうも「大丈夫かしら???」楽しめたけど、疲れちゃった!!!
でも、今回は「完璧!」なんたって、めちゃダイエット(?)3ヶ月前はまん丸の顔してたけど、今回は「げっそり。。。」あの台詞と動きの早さ。演技の上手い戸田さんや鈴木さんまでダイエット(?)見ているほうも、楽しいけど台詞とお芝居のリズムについて行くのに精一杯(><)

また、初日には居なかった平岡さんが千秋楽には「小林薫さんがビックリゲスト」やー上手い!僅か2分足らずの出演なのに、存在感充分! 台詞も面白くって「一生友達だよ」って手を思いっきりにぎっちゃう! 握られた大森さんはあわてて(おそらく、このシーンはアドリブかも???)
大森さんも「この人は困ちゃうんです」と、嬉しそう。。。

昨年の『レンズ』『ラブレターズ』で、「大森さんてやっぱり、映画の人なんだなぁ。。。」って思っていました。映画の中では主役を浮き出させる役があってるんだと思い込んでました。主役ってやっぱり「自分自身を主張しなけきゃいけないけど。。。大森さんは『いつの間にかそこに居る』って存在はそれで素敵だけし、映画が締まって見れるけど。。。」なんてね!
でも、認識を新たに・・・!!! 「充分主役でも大丈夫じゃん!」ってね(^^)
人気がでて、それに甘んじている人が当たり前なのに、大森さんは「それ以上を求める役者魂のある方なんだ」ってね(笑)
 いやー!凄かったです! 声も充分、台詞は多いし、出演はほぼ3人、息つく暇が無いほど舞台狭しと動き回る。あのダイエットが「お芝居に賭ける魂」をビンビン感じ取りました!
 これからの大森さんの活躍が、今まで以上に期待される気がして。。。
(この一年に何があったのかしら???←それが知りたい!)

とにもかくにも、物凄く楽しめました!
(でも 肝心のお芝居がシュールすぎて分からなかったけど。。。)

ミリオンダラー・ベィビー

2005-06-12 | Movei
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン
公開:2005年5月
鑑賞:2005年6月12日

<Story>
 ロサンゼルスのダウンタウンにある小さなボクシング・ジム、そこには雑用係のスクラップ(モーガン・フリーマン)と23年来の親友であるボス:フランキー・ダン(クリント・イーストウッド)がいた。フランキーのボクサー:ビッグ・ウィリーはチャンピオン試合を懇願していた。しかし、試合は一度きり、「自分を守れ」が口癖のフランキーはなかなかウィリーにチャンピオン試合を許可しない。それに業を煮やし、ウィリーはフランキーの元を去り、まもなくチャンピオンになった。

 そんな時にマギー・フィッツジェラルド(ヒラリー・スワンク)がジムにやってくる。「トレーナーになって」というマギーに「女のトレーナーなしない」と断る。しかし、ジムは借金を抱えていた。マギーが半年分の会費を前払いしたと知って彼女のトレーナーになることになった。
 
 マギーは貧しい家庭に育ち、13歳からウエイトレスをして、食べるのが精一杯の生活をしていた。マギーはボクシングをするのが唯一の生きがいであった。
フランキーのトレーナーでマギーはめきめき腕を上げ、連続12試合KO勝ちをおさめた。英国チャンピオンからのオーファーで、マギーは試合することになる。その日にフランキーはマギーに「モ・クシュラ」と書かれたガウンを送る。会場は「モ・クシュラ」のコールが巻き起こり、マギーは勝利する。

 マギーはフランクの忠告通り、貧しい家族の為に家を買った。しかし、歓迎してくれると思った母や妹は「お金のほうが良かった」という。マギーにはフランクしかおらず、実の娘から疎遠にされていたフランクもマギーしか居ないと気づく。

 100万ドルのファイトマネーを賭けたタイトル・マッチの日がやって来た。対戦相手は、汚い手を使うことで知られるドイツ人ボクサー、“青い熊”ビリーだ。いつものように「モ・クシュラ」のコールが巻き起こるなか、グリーンのガウンをひるがえして、マギーが颯爽とリングにあがる。
 だが、その時の彼女は、まだ知らなかった。自分の前に、どんな過酷な運命が待ち受けているのかを……。

kanon の評価:♪♪♪♪(♪:1点)

本年度アカデミー賞で作品賞・監督賞(クリント・イーストウッド)・主演女優賞(ヒラリー・スワンク)・
助演男優賞(モーガン・フリーマン)の主要4部門でオスカーを勝ちとった。
 また、ヒラリー・スワンクはボクシングシーンを3ヶ月のトレーニングしただけで吹き替え無しでやったという。

<Comment>
 いつもは映画を見る前にCF以外の知識(TVや映画館で)をほとんど入れずに見に行きます。たまたま見に行く2日前に、井筒和幸監督の辛口で有名な「自腹で映画を見る」というTV番組があり、監督が話すことがいつもおもしろいので興味本位で見ました。いつもと違って、今回は素晴らしい評価で「こんな映画を作ってみたい」と監督は熱弁をふってはいたのですが。。。
「この映画は尊厳の映画やね。僕なら○○するな」って。。。もう***見なきゃ良かった(><)
この二言でラストが分かってしまって。。。。

でも、やはり評判通り素晴らしい映画でした。監督じゃないけど「尊厳とは???」と自分自身に問う映画でした。ボクシングで勝つか?負けるか?で「人間の価値は・・・?」と問うものと考えていただけに、このラストは素晴らしいものです。

 言わずと知れた、クリント・イーストウッドさんの演技は健在!実の娘から疎まれても、手紙を書き続ける、父親の寂しさ(ちょっと違うが言葉が見つからない!)をよく表していた。
 モーガン・フリーマンさん存在だけで、演技になる(凄い!)年齢を重ねるとはこういうものだろうか?
 ヒラリー・スワンクさんの演技というか、闘志といったほうが当たるような演技。凄い女優です! 米映画の女優さんというのは「皆さんお綺麗で。。。」のイメージが多かったが、今や「美貌」だけでは認められなくなったと思う。レニー・セルヴイガーさんといい、子供の頃から見ていた綺麗で豪華な米映画とは、随分変わって来たと思った。

 右腕が痛いのに3時間近く(CF含め)ほぼ同じ体勢で映画を見ていたため、映画が終わって友人と食事したが、まったく右手が使えず、「右手ってこんなに重かったの?」って。。。
 でも、無理してみてよかった(^^)面白いCFが沢山見れた(^@)
ちなみに一緒に行った友人はCFに好きな俳優さんが居たということで大喜び!
 やっぱ、映画は映画館!(でも 痛かった。。。)

ラストプレゼント(ソンムル)韓国映画

2005-06-11 | Movei
監督:オ・ギファン
出演:イ・ヨンエ、イ・ジョンジェ、クォン・ヘヒョ、イ・ムヒョン
公演:2001年(韓国)、2002年(日本)
鑑賞:2001年DVD(韓国版)2002年(日本:韓国文化院、劇場)

<Story>
 才能はあるのに、なかなか芽の出ないコメディアンのヨンギ(イ・ジョンジェ)は、親の猛反対を振り切って愛するジョンヨン(イ・ヨンエ)と結婚。現在は両親から勘当状態にあった。その上、二人は最愛の息子を幼くして亡くした。彼はそのショックで2年間、芸能生活も休止。おかげで、だらしのないヨンギとしっかり者のジョンヨンは口喧嘩が絶えない。

 しかし、ようやくヨンギはテレビ局が主催する番組「お笑い王」の勝抜き戦に出場し、観客の圧倒的な笑いをとって上位に勝ち残っていた。
 一方、妻のジョンヨンは、ヨンギに内緒で番組のプロデューサーに彼のことを頼みにいったりと、ヨンギの成功のためにと腐心する・・・。

 最近はいつの間にか寝室も別になってしまった二人。そして彼女が最近、昔のアルバムを見て、何人かの名前を書き出していることに気付いたヨンギは、ある日、その理由を知る。彼女は不治の病に侵され、余命いくばくもない運命にあったのだ。彼女が書き出している名前は、彼女の初恋の人なのか・・・。彼女の命があるうちに、彼女が会いたがっている人たちに会わせてあげたい。彼は自分を騙そうとした二人組の詐欺師(クォン・ヘヒョ、イ・ムヒョン)に、妻の会いたがっている人を探すように依頼する。

 自分の病を、決して夫に知らせようとしないジョンヨン。妻の病を知ってしまったが、知らない振りをするヨンギ。お互いに深く愛し合い、気づかい、悲しい演技を続ける二人・・・。

 そして、ヨンギたちは番組で着々と勝ち進んでゆく・・・

<Comment>
 韓国映画に夢中になっていたとき、この映画の情報を知り、DVD(韓国版)が発売されたと知ってDVDを購入!しかし、リージョンのことがあり、日本版DVDプレーヤーでは見れない。絶対見たいとフリーのDVDプレーヤーを購入!!! 
 それから何回泣いたであろう・・・(恐らくは一生分?)
日本公開前に韓国文化院で見たけど、上映前にイントロが流れた段階でハンカチがぐちゃぐちゃ。。。

 映画は夫婦愛のただひたすら泣けてくる。。。
特に詐欺師のクォン・ヘヒョさんとイ・ムヒョンが最高にいい(^^)コメディアンの夫からお金を巻き上げようと妻に話したことから、妻が不治の病と知ってあたふた(普通はここで逃げるけど。。。)夫に妻のことを話したら、夫から「妻が会いたがっている人物を探してくれと頼まれ」それを忠実に遂行(?)「妻が会いたがっていた人は・・・」(泣けるね。。。)

病を隠す妻が夫の横で眠っている。そっと布団を掛けて、優しく抱きしめる夫。。。
病を夫に告げず頑張っている妻を思いやる演出がすばらしい(;;)
(ブログの写真はそのシーン。。。)

 やっぱラスト!DVDで10回以上見たけど、何回見ても泣いちゃう。。。
イ・ジョンジェさんがおかしなメイクしてギャグを言う。でもそれは聞こえず、バックにはオペラの歌!それを見ながらイ・ヨンエさんが。。。ここは最高!
 ハンカチじゃなくバスタオルが必要(過言ではない!)

今回は日本のドラマでリメイクされる。さて どうであろうか?
 また ハンカチを用意しなくては。。。