青崩峠・兵越峠へ

静岡県浜松市と長野県上田市を結ぶ国道152号線

かつては塩の採れない内陸部信州に遠州灘の塩を運んだとされる「塩の道」で、戦国時代の武田信玄が京を目指し歩いた街道でもあります。
そんな由緒ある街道、現在の国道152号線ですが、中央構造線の断層付近を走る関係で地盤が柔らかく、崩落が激しく各所に難所があります。

　・クルマでは通行不能→　青崩峠（静岡・長野県境）　地蔵峠（長野県大鹿村・飯田市）
　・冬季通行止め閉鎖　→　分杭峠（長野県大鹿村・伊那市）

通行不能となっている青崩峠、地蔵峠ですが、冬期を除き迂回路を利用して峠の麓相互の往来は一応出来るようになっています。

今回は、静岡・長野県境の青崩峠とその迂回路にもなっている兵越峠を訪ねてきました。

現在、この静岡・長野の県境区間では、三遠南信道と言われる自動車専用道路（国道474号線）の整備が進行していますが、この不安定な地盤、崩落により完成した道路が計画変更などにより本来の用途から外れてしまったものもあります。

青崩峠への分岐点から延びるこの立派な道路がそれです。（2016年1月10日にも紹介しています）



本来の塩の道（国道152号線）は右方向へ進みます。
左の立派な道路は兵越峠辺りをトンネルで貫通し、長野県へ抜ける三遠南信道で開通した区間です。
ただしその後の調査により、計画区間の地盤が脆弱でムリとの事から再度線引きがなされ、三遠南信道から外れ一般国道152号線へと格下げになったものです。
よって、現在では右の青崩峠へは林道青崩線、左の兵越峠方面が国道152号線となっています。

先ずは林道青崩線に入り、ここから4kmほど先の青崩峠へと向かいます。









狭い路肩の崩落した落石のある道路を5分程進むと足神神社と足神の水があります。
足神神社の歴史は下の画像の通り。



足神の水は足神様の御神水と呼ばれる湧水で県内各地から汲みにくるようです。







ここにお見えになった神主の方は、日曜日のみ水窪市街からやってくるそうで、お札や絵馬の取り扱い、この辺りの逸話などの講和などをやられているそうです。

ここから5分ほど上ると、青崩峠の入口の広場に到着です。



区画はありませんが、20台くらいは駐車できる広場です。
一応この先も道路は続いているのですが、すぐに舗装がなくなり崩落が激しく全面通行止めとなっています。

入口の登山計画書に諸事項記入し、石畳の坂を登って行きます。
おおよそ熊野古道や中山道などと同じように、先人たちの築いた道に感動しながら、写真を撮りながら進みます。







途中、
■武田信玄が休憩され腰かけられたとされる腰掛け岩


■秋葉街道往来の盛んな時期にあった茶店建次郎屋敷跡


などを見ながら、入口から10分ほどで青崩峠に到着です。









この時期は草木が生い茂り峠からの眺望は全くダメ、ここから1.5～2時間ほど歩くと熊伏山へ行けるのですが、今回はここまでの予定でしたのでこれ以降は降雪前の晩秋あたりに出掛けてみようと考えています。
峠で少し休憩ですがもちろん誰とも会わずに、周りにいるのはアブやハエばかりです。
峠から少し長野県側に降りてみましたが、こちらは静岡側とは全く違う環境で、道の方も結構荒れている感じでした。



長野県側からの青崩峠入口からは5km以上あるはずなので、登ってくる人はいないのではと思います。
事前調査もしていなかったので50mくらいの所で撤収、峠に戻ります。

さてあとは下るだけ。
石畳は苔が生え滑りやすくなっているので、登りよりも大変です。
登り時にも確認しましたが、兵越峠への遊歩道？分岐があり、ここから2時間あるけば到達できるはずです。





下りは、ユックリ歩いて15分程かかりました。

クルマに戻り兵越峠への分岐点まで走り、兵越峠に向かいます。



兵越峠は2016年1月10日に紹介していますので今回は少しだけ画像を紹介して終わりにします。









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無事に青崩峠まで往復してきた訳ですが、次回熊伏山まで予定している晩秋には、周辺の景色はもちろん、地形までも変わっている可能性もあります。
もしかしたら、駐車場（入口）までも到達できないことも考えられますので、事前の調査を十分にした上で、山頂に立ってみたいものです。