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阪神大震災から28年

2023-01-17 21:03:10 | Weblog
ですね。
あの日、8階建のマンションの1階に住んでいた。
揺れが起きた瞬間、2歳の娘に覆いかぶさって、その時は「すぐ収まるだろう」と思いながら
目を大きく見開いていた娘に「揺れてるね~怖いね~」と話していた。
私の上には嫁が覆いかぶさって、何のコントやねん!娘潰れるやんけ!とツッコミを入れていた。
だがすぐに、揺れが止まらん…というか、おまけとは言えないドン!がきて、ガシャガシャと音がして、
嫁がサッと離れて(やぱコントだったのだ)、ドアと窓を解放した。
ドアがよじれて開かなくなると思ったらしい。窓は開けたときにはすでに全割れ状態。
娘は大きな目をパチクリさせながらキョロキョロとあちこちを見回していた。
幸い、誰にも怪我はなく、揺れが収まるのを待って(しばらく、ゆ~ら、ゆ~らと揺れていた)、表に出た。
その刹那、2mほど右にドッサと何かが落ちてきた。テレビだ。今のような液晶薄型じゃないぞ、29型ブラウン管だぞ。当たれば保死ぬぞ。
その後もパラパラと小物が降り注ぎ、うちの庭(1階には芝生の庭が付いていた)がフリマのようになった。
上に住んでいる、いつもはうるさいリーゼント小僧が「下の人、大丈夫ですか?」と大声で声掛けをしてくれた。
大丈夫!お前んとこは?どう? ばあちゃんが動けん!
私はすぐさま2階に上がり、ドアを開けたがビクともしない。やはりフレームがよじれていて開かなかったのだ。
するとどこからか男性が来て、電動ドリルで鍵穴の付近を壊し始めた。ドアが開いた。
私と男性が部屋の中に飛び込むと、おばあさんがドアの開いた冷蔵庫の下になっていた。
奇跡というか、開いたドアと本体の間(△状態)の隙間に嵌っていて、押し潰されてはいなかったが、ドアポケットの瓶が割れて、おばあさんの足に刺さっていた。
冷蔵庫は持ち上げられたが、位置をずらすスペースがなく、そのまま下ろすしかない状況だったが、リーゼント小僧がヘルメットを噛ましておばあさんを引きずり出した。
ふくらはぎから出ている血をガムテープでぐるぐる巻きにして止め、外へ連れ出した。そこに娘を抱えた嫁が来た。
大丈夫なん? ガラスで切っとるから血が止まるかどうか。
そこにいつもうるさいオバサンがきて、これを塗り!とアロエ(鉢植えに合ったらしい)をグチャグチャに潰したものを布巾に包んで持ってきた。
そして、ガムテープをバリバリと剥がした。おばあさんは「ギョエー」と悲鳴を上げ(これは地獄ぞ)床をドンドンと叩いた。
リーゼント小僧は、「こんなんドリフでも見いひん」と大笑いしていた。助けに来ていた他の人も「それはさすがに痛いわ」と笑っていた。
おばあさんが、「こんな時に笑うか、クゾ孫が!」と吠えたので、さらに爆笑となった。
リーゼント小僧は、「アホババア、みんなの命あっての爆笑やぞ、ちゃんとお礼言わんかい!」とおばあさんに怒鳴ったが、
その一言がシャレにならんという現実がそこここに。
嫁に抱かれた娘は相変わらず大きな目をパチクリとさせて周りを見渡していた。
その娘も30歳を迎えようとしている看護師だ。娘よ、あのパチクリとした大きな目はどこに行った・・・。マジデ。

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