重なる死別

私のバイクの師匠でもある、いつもの相方さんが事故で亡くなった

かなりの速度で、ガードレールに激突、バイクは大破の単独事故


一昨日がお通夜、昨日がお葬式



いろんなところに連れて行ってくれた


高山方面、知多半島への日帰りツーリング　etc

高遠～ビーナスライン

伊豆半島一周の一泊ツーリング

蓼科～白馬～志賀高原～草津～浅間山麓

先月の平湯～奥飛騨　　・・・


今度の連休にも二人で予定していた

「tatsuさん、今度はとびきりの紅葉を見せるからね！」

と言っていたのは、つい先日の事


会社の上司からメールで知らせて頂いたが、とても信じられなかった


「まさか　ウソだろ　マジかよ」　１００回くらいメールの文面を読み返した

浅い睡眠で、朝起きて、まっさきにメールを読み返した　　ああ　やっぱり悪夢じゃない



初心者の私を気にかけて、前を走ったり、後ろに付いたり

２日間で９００ｋｍも走っての帰りの高速道路では、ヘトヘトに疲れた私を気遣って

ピッタリと後ろに付いていてくれた



彼とは以前は同じ会社の同僚だった

当時は「頭の切れる人だな」と舌をまきつつも、仕事以外のつきあいは、あまりなかった

私が独立してからも会社は仕事を発注してくれて、彼が担当だった


妻の死で、身の置き場のない私がオートバイを始めて、彼との仲は濃くなっていった



「tatsuさん　こんなんでどぉ？」

いつも完璧な計画を立ててくれて、私はいつでも付いてけまわり

桜を見せてくれた、爽快な山岳ルートを教えてくれた、おいしい食事を紹介してくれた



私の、学生時代～社会人の人生で、３本の指に入る賢い人

私よりも５歳年下でも、「さん」付が当たり前で、仕事を通じても、尊敬して慕っていた


ツーリングの宿でも、「tatsuさん、奥さんと来たかったよね」とポツリ気遣ってくれた

寒くなってくると、そうとう着古したベストをひっぱり出してきて

「これは１０年以上前の、妹のアメリカお土産で、暖かいんだよ」と嬉しそうに着ていた


年老いたご両親がいらっしゃる

お父上は車椅子　未婚の彼は家事もこなしていた　　通勤車には車椅子が積んであった

ライフワークと思えるくらい親孝行だった

北海道から九州まで旅行に連れていっていた

ツーリングの帰り道、サービスエリアで、「両親がここの牛飯が好物でね」といつもお土産に

買っていた



親しい期間は２年と短かったけれど、濃い時間を一緒に過ごさせていただいた


携帯には彼とのメールがいっぱい


「無事帰宅しました、ありがとうございました」

「お疲れでした　　また行こうね」



Ｔさん　一人で行くからイカンのよ　私が一緒でモタモタと貴方の足を引っ張って、お荷物になって

ブレーキになっての　いつもの凸凹コンビの道中で良かったのに











いつも一緒だったのに


もっともっといろんな所に出かけたかった　　もう二度と一緒のツーリングは出来ないのですね


新しい思い出はもう作れないのですね



Ｔさんのバイクはムチャ速いけど、人生までそんなに速く駆け抜けなくてもよかったのに



速すぎるよ




バイク以外でも、これからいろいろお付き合いしたかったのに






おかあさん　Ｔさんが　そっちに行くよ、すごくイイ人だから、貴女からもお礼を言って下さい