神奈川絵美の「えみごのみ」

山本きもの工房にて その2

(前回の続き)

40代だけで創る着物「シスレーの居る風景」は、いよいよお仕立て段階に。
でも、ちょっと待って…!

「山本さんにお仕立てを頼むなら、できれば長襦袢もセットでお願いした方が」
と仁平幸春さん。
「こう、ぴたーっとね」
衿を合わせるポーズをしながら彼は言った。
「互いに吸いつくように、よく沿うんですよ」

生地を探す時間もないし、予算も気になるしで
少し迷っていたけれど、
事前に工房に問い合わせたところ
「それなら白生地はこちらでいくつか用意できますから、
そこから選んで、好きな色に染められますよ
えっ…、そんなこともできるの 少なからず驚いた。
予算も思っていたよりずっと低く…。


というわけで、この日は採寸とともに、長襦袢の生地と色を決めることに。
「こちらは糸も織も中国製、そちらは糸は海外で織は国内だから少し高め」
オープンに紹介してくださるので安心だ。
こうして何種類かの生地と、たくさんの色から選んだのは…。



更紗のような可愛い花柄に、色は少しくすんだパープル系
(写真ではだいぶ色が違ってしまっています)。
事前に仁平さんからも、落ち着いた色の方がいいよとアドバイスいただいていた。
とはいえ、例え襦袢でも、着て気持ちがよくない色は選びたくない。
あまり濁った色や渋い色は眼中になかった。

山本きもの工房では、寸法の決め方にもポリシーがある。
例えば
「腕は、手首が少し出てこそ、すらっと見えるんです」とおっしゃる。
今までの、私の裄(1尺7寸8分)は長すぎるそうだ。
「1尺7寸で十分ですよ」
また、正座姿を美しく見せるか、立姿を美しく見せるかでも
寸法は変わるそう。
袖丈や、袖丸みも、全体のバランスや着る目的によって決めていく。
こうして話していると、実際に自分がこの着物を着るシーンや、
振る舞い方を頭に描くことができ、ますます楽しみになってくる。

この工房ならではの、仕立て方の工夫についてもいろいろ伺ったが、
それはこの着物が仕立て上がってから、紹介の機会を設けたい。


採寸がひと段落したところで、
「この麻の織物、素敵ですね…」
「この型染めは、どちらの…?」と、
戸棚に並んでいる反物が気になったりして。
5月に入って、いろいろなところから次々と、夏物の展示の案内がきている。
着物好きにとっては、誘惑の多いシーズンの到来だ。

コメント一覧

神奈川絵美
Medalogさんへ★
こんにちは どんなお仕立てになるのか、私自身も楽しみです…サイズ以外の一例を挙げますと、着姿がきれいになるような、表地と裏地との合わせ方、というのもあるそうなんです。ぴたっと合わせてしまっては却って着たときのバランスが悪いんですって。
お仕立て上がったときにまた紹介しますね
Medalog
山本きもの工房さんのお仕立て、一度は体験してみたいなー。
裄丈のバランスはもちろんですが、それ以外の部分のこだわりもあるのでしょうね。

この工房で仕立てた着物をお召しになった絵美さんの姿をブログで拝見するのが楽しみです。
神奈川絵美
衣舞の袖さま★
こんにちは 連休もあっという間に終わりですが、お元気ですか? 私はちょこっとだけ帰省しましたー

裄のサイズ、そうですよね、私も気になります。全体のバランスがいい感じになればいいなあと思っています
衣舞の袖
ますます楽しみな・・・
http://plaza.rakuten.co.jp/tagasode/
絵美 さま

こんにちは。
連休も終盤、帰省は楽しまれましたか?

長襦袢も合わせてお誂え、それはすごいっ!
色調は言わずもがな、着心地も断然違うのではないでしょうか。
裄のサイズに関しても、とても興味深いです。
神奈川絵美
ルリ子さんへ★
こんにちは 当初は長襦袢も一緒に…とまでは考えていなかったのですが、できあがった着物や八掛が素晴らしかったので、敬意を表する意味でも、襦袢にもこだわりたいなと思った次第です

ルリ子さんもゼロからのお誂え、よかったらいつかぜひぜひ! 楽しいと思いますよ
ルリ子
最高の贅沢
http://linaruli.weblogs.jp/blog/
長襦袢も一緒にお仕立てですか。柄も素敵。そうですね、確かにお着物と長襦袢を同じところで仕立てるなんて最高の贅沢ですね。着心地が良いことは保証済みですね!

絵美様のおかげでこちらまでお仕立ての楽しみ、工程の説明もお聞きでき勉強になります。
神奈川絵美
やっぴーさんへ♪
こんにちは
>衿肩明きから衿付けの曲がり具合
なるほどぉ、そういう細かいところがぴたっと合うわけですね。
今回、裄と袖丈、着丈もいつもと違うサイズなので、どんな感じになるかなあ。楽しみです
やっぴー
着々と
進んでますね、ホント仕上がりが楽しみです~♪
着物と襦袢を同じところで仕立てればピッタリですよ☆
衿肩明きから衿付けの曲がり具合も同じになるし

神奈川絵美
Miwakoさんへ★
こんにちは 私、一番最初に仕立てた着物はとっても大きかったんです。身長を聞かれ、かなり適当に裄を測られて「ああ、並寸でOKね」みたいなノリでした。ですから、体型が変わったというよりは、いくつかの呉服屋さんとご縁をいただく中で、本来の寸法に調整されていったのではと思っています。
確かに8分は大きいですよね…今までは手首が完全に隠れていましたが、今度は少し出るようなスタイルになると思います。どうなるのでしょう。ワクワクドキドキです

木村幸夫さんのご著書、こちらは存じ上げませんでした。私も読んでみようかな…Miwakoさん、ご自身で縫えるなんてすごいなあ…
神奈川絵美
おさよさんへ♪
こんにちは ゼロからのお誂えって、作家さんたちとコミュニケーションをとる中で、自分のイメージが形になっていく魅力がありますよね。
予算面はできあがるものによって幅があるかとは思いますが、私の場合は、呉服屋さんで「思い切った一枚」を買い求めるよりはぜんぜん無理のない額でした。
おさよさんはすでに「きものエキスパート」でいらっしゃいますから、こうしたお誂えも十二分に楽しめると思います
Miwako
仕立てをする方に直接採寸してもらうって、呉服屋で仕立てされない方に測られるより、更に厳密なのでしょうね。

でも、裄が8分短くなるって、結構ありますね。抱き幅も大きめだったようなので、絵美さん、もしかして、最初に寸法を定めてから、かなり痩せられたのでしょうか。

新しい寸法で、どのように着易くなるのか、楽しみですね。

もうご存知かもしれませんが、木村幸夫さんの本、とても参考になりました。私も自分で単衣やコートを(本を見ながら)何枚か縫ってみて、自分の寸法、研究しましたよ。
http://www.amazon.co.jp/%E7%9D%80%E5%A7%BF%E3%82%92%E3%82%AD%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%81%AB%E8%A6%8B%E3%81%9B%E3%82%8B%E3%81%8D%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%AB%8B%E3%81%A6%E6%96%B9%E3%83%BB%E9%A0%BC%E3%81%BF%E6%96%B9-%E6%9C%A8%E6%9D%91-%E5%B9%B8%E5%A4%AB/dp/4418064095
おさよ
長襦袢もですか~
なんと贅沢な組み合わせ。
ますます出来上がりが楽しみですね!
わたしも吉田さんに織って頂き、山本さんに縫って頂きたくなりました。が、予算が...
神奈川絵美
すずらんさんへ★
こんにちは 山本きもの工房、魅力的なところですよー。仕立てのことはもちろん、勉強になりますし、レアな良い布を見ることもできます。

10月までゆっくりと、楽しみながら仕立て上がるのを待ちたいと思います
すずらん
着々と
着々と出来上がっていますね。
手をかけた着物は一層いとおしいですね。
素敵な着物ができあがるはずです。

山本きもの工房、横浜に住んでいながら知りませんでした。
今度たずねてみます。
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