競馬に限らず、
野球やサッカーでもそうなのだが、
個々のプレイヤーの生い立ちや
置かれている状況に
自分自身を重ね合わせながら応援する、
というのは、あまり好きなことではない。
似ている部分はあっても、
きっと恐らくどこかに「違い」はある筈なのだから。
そのプレイヤーにとっては
「お前と一緒にするな」と言いたいかもしれないし。
でもここ数年、
存廃の危機にある地方競馬を見続けているうちに、
競馬に関しては少し違う印象を抱いている。
セレクトセールなどで億単位の値段で取引される
良血馬がいる一方、
血統面で目立たなかったり、
体質面で競走馬としての価値に疑問符が付けられた馬が
地方競馬の方に回ってくる。
またJRAで結果を残せなかった馬たちの中にも
地方に活躍の舞台を求めてやってくるケースがある。
私はプライベートでは広告代理店に勤めているが、
広告業界で似たような事を感じる時がある。
ごく稀に、いかにも「コネ採用」と思われる奴と出会う時がある。
だがそんな奴を「バカ息子」などと軽蔑していると
エライ目に遭う時がある。
それなりの家柄の子供というのは、
小さな頃から「いいモノ」を与えられて育つ。
知らず知らずのウチに、
「いいモノ」の価値を知っているのだ。
自分のように「安さ」を追求したノンブランド品ばかりを
与えられて育った奴が、
仕事の為に「勉強」して何とか「身に付けた」つもりの感覚と、
生まれながらにして持っている感覚とは、
どこまで行ってもイコ-ルにはならない。
競馬に関してもそうだ。
宮城県仙台市という、
競馬場も場外馬券売り場もない
「競馬不毛地帯」で生まれ育った。
「競馬」に関して何のコネも背景も持っていない。
だから現地で自分のネットの為の何らかの活動をしようとすると
とにかく様々な制約を受ける。
制約は仕方がないが、様々な罵声も浴びる。
「何の媒体も持っていないくせに」なんて具合に。
そんな状況だからこそ、
生まれながらの「低評価」に反発しようと闘っている
地方競馬の馬たちを見るとつい、
勇気を貰ったような気分になる。
ダートグレ-ドレースのように、
環境が異なるJRAの馬たちと地方馬が戦うレースを見ると
特にそんな想いが頭に浮かぶ。
ジャパンダートダービーもそんな想いでレースを見ていた。
そのジャパンダートダービーには
あるひとつの「傾向」がある。
思い入れを込めて言えば「伝統」と言っても
いいかもしれない。
10年前にこのレースが創設されて以降、
馬券の対象となる3着以内を
JRAの馬が独占したことがないのだ。
「JRAの馬だけを買っていれば当たる」が
常識となりつつあるダートグレードレースだが、
このジャパンダートダービーに限っては
その常識は当てはまらない。
何か1頭、地方馬が3着以内に入り続けているのだ。
私はこれを馬券検討上の「傾向」だとは考えたくない。
「伝統」なのだ、そう信じ続けている。
その「伝統」は今年も守られた。
船橋のコラボスフィーダが3着に入った。
そのコラボスフィーダを東京ダービーで負かした
ドリームスカイも4着に頑張った。
「競馬通」ぶる人はきっと、
「JRA関係者のダート競馬への認識が・・・」
とか、言いたくなるのかもしれない。
でもそんな屁理屈には聞く耳を持たない。
今、目の前のレース結果が全てなのだ。
その場にいなかった馬はいかなる事情があるにせよ、
そのレースにおいては「負け」とイコールでしかない。
Jpn1という頂点のレースで、
今年も地方馬たちが踏ん張りを見せた。
彼らは今年もこのレースの伝統を守ってくれたのだ。
今はその事を称えよう、その事に感謝しよう。
そして来年もこの「伝統」が守られるよう、
「伝統」を引き継いでくれる馬がどの馬なのかを予想するため、
「ダービーWeek」を見続けよう。
ジャパンダートダービー当日、
私は大井の夜空にそう誓った。
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このエントリーを最後に、
2008年の「ダービーWeek応援ブログ」の更新を終了します。
今年は更新が滞りがちで、
大変申し訳ありませんでした。
来年の「ダービーWeek」もこのブログを引き継ぐか、
別のブログで展開するか、
現時点ではまだ何も考えていませんが、
何らかの形で展開を続けていきたいと考えております。
来年もよろしくお願い申し上げます。