http://www.mai-mai.jp/index.html
2月もそろそろ終わりですが、
「マイマイ新子と千年の魔法」をめぐる有志の皆さんの動きは更に活発化していて、
現在公開中の横浜ニューテアトルの2/26日の上映終了でいったん劇場公開の流れは切れるものの、3/13からは渋谷シネマ・アンジェリカ、3/20からは再び関西で兵庫宝塚シネ・ピピア、九州地区では佐賀THEATER CIEMA、長崎・長崎セントラル劇場 、3月27日(土)からは北海道・シアターボイスでの上映が決定、
3/6、7には防府でのイベントとリンクする形でワーナーマイカルシネマ防府でのアンコール上映もおこなわれます。
一度ホントに死にかかった映画がここまでの反発力で多くの映画館の支持を得て上映の波が広がっているのは感慨深く、コミケなどを見てても常に痛感するいわゆるムーブメントが作り手側のあざとい仕掛けと、それに乗っかろうとするだけのオタクとの関係性でしか存在が成立しないような今の多くの映像作品を取り巻く状況においてはホントに何かの奇跡の様な現象に見えてきます。
しかし、本当の状況はまだまだ厳しい、署名活動はここに来てようやく伸びを見せてきたものの、目標とした数字にはまだまだ遠く、上映立ち上がりのときの状況の悪さが未だに尾を引く形で、BDどころかDVDにすらならない可能性すら取沙汰されています。
拡大上映にしてもリピーターが繰り返し行ってるだけではないのかと不安になる事もしばしばで、新規の観客層への認知が広がっていないのではないかという疑念も拭えない。
マイマイの出来については今更言及するまでもないのですが、この映画の実力をもってしても一般の観客への鑑賞意欲喚起が叶わないのであれば、もう一つの未来への不安、いや恐怖と言っていいくらいの感情がわき起こってくるのを抑えきれないのです。
「もう児童文学や普通の小説を原作にしたアニメーション映画を作る土壌は無くなってしまうんじゃないか?」
そんな大げさな、というかもしれません、今は不景気だから、またお金がまわる様になったら作られる時も来るだろうという考えもあるかもしれません。
でも作り続ける事が出来なければ今まで長い時間をかけて積み上げてきた日常アニメを作るための方法論も簡単に失われてしまうことになるに違いありません。
例えば、名作劇場シリーズはBS放送で数年前に約10年ぶりに復活しましたが、見せ方から何からものの見事に過去に積み上げた筈のノウハウを見失ったものでした。
単にエピソードを絵にしているだけ、今のところ最新作の「こんにちはアン」はキャラデザこそ過去の作品に近いものにされましたが結局「赤毛のアン」の第一話冒頭がラストと決まっているせいなのか、その予定調和の結末に向かってイベントを消化して行くだけの展開になってしまいました。これが、ブランクのもたらした現実なんだろうなと痛感せざるを得ない結果です。
忘れられがちな事ですが、小説をアニメにするという事の最大の魅力はキャラクターデザインや画面構成、絵作り、時にはお話作りに作り手のオリジナルの創造性が最大限に発揮出来る事です。ここが漫画や同じ文章媒体でもイラストレーターの描いたキャラのイメージでヴィジュアルが最初から固定されるライトノベルの類いのアニメ化とは決定的に異なる点で、その点で、完全なオリジナル作品と同様に大切にされなければいけないジャンルなのです。
そしてハイジ以来積み上げてきた生活アニメーションを描くための様々な手法は、世界と勝負するという点でも、日本のアニメーションが一番大切にしなければいけないの財産の筈です。
今はまだジブリもありますし、片渕須直監督、細田守監督や、他の多くの監督さん達が肉体感覚としてそれらの表現の手法を守ってくれていますが、今のパターン化した表現に偏った作品が氾濫するTVアニメーションの作品ばかり見てる世代が作り手となって行く10年、20年後を考えるとホントにどうなってしまうんでしょう、と思わざるを得ません。
大げさな、というかもしれませんが、例えば巨大メカ、ロボットの迫力を手描きで表現する演出や作画の技はこのたった十数年の間に庵野監督や、ガイナックスの有能な人達が個人の資質レベルでかろうじて保っている以外ではいともあっさりとほぼ滅びてしまったのですよ?
だから、マイマイ新子の様な作品はいつかまた、ではなく常に作られていないといけないのです。たぶん今この状況に何らかの危機感を感じ取ってる人はその点まで感じてくれていると思いますが。
今、マイマイの為におこなわれてる様々な活動は、マイマイだけの為じゃなく、未来永劫普遍的であってほしい日本のアニメーションの為の活動と言っていいのかもしれません。
それこそ「明日も遊ぼうや」を約束する為の・・・・。
そういう訳で、是非心ある方の署名を期待しております。
http://www.shomei.tv/project-1385.html