鬱病ロッカー/兒玉怜
先日あれ程ボロクソ書いたんですが、買ってしまいました。
先週本当に忙しくて立ち読みすらかます時間が無かったんだよ!!
と、言い訳だけしておくゴメンナサイ。
やっぱり見ない選択なんてできないな、と。
たぶん私には出来ませんでした。
感想。
以下ネタバレ注意
↓↓
数時間でサクッと読める内容量だった。
一言で言えば、「悲惨」だったな、と。
読んだあと、特に感動もしなければ同情もしなかった。本人も言っているけど、伝えたいこともないしテーマもない。バンドの今後に直接的に繋がるわけでもない。面白かったとも思えないし、苦痛とも感じなかった。
ただ、この空白の二年間、彼の身に何が起こっていたのか。何を思い考え生活していたのか。その経緯、きっかけが赤裸々に飾らない正直な言葉で綴られていた。
薬物依存。
眠れない苦痛を、周囲からのプレッシャーを、思い描く理想の自分を、薬という言葉を発しない神経を麻痺させる道具でごまかす。自分を騙す。
ただ彼は、自分を取り巻く全てのものに誠実でいようとした。誠実でいたかった。それを叶えるためには身体一つ、心一つの裸の状態ではとても自分を保っていられなかった。
baroqueの頃から睡眠薬を常に服用していた事実には驚いた。そんな以前から彼が闘っていたこと。睡眠薬や精神安定剤を手放せない。はっきり言って依存性の高いものばかり。
そんな環境を長年続けていたら壊れるのなんて時間の問題だ。きっかけは、本当に些細なことで。きっと本質を見れば誰が悪いとかの問題ではない。
世界は無情だ、と思った。
ああ、きっと人は簡単に壊れてしまうのだ、と。
そこに理由なんてなくて、意味もなくて、
世界はただ絶望で溢れている。
そう思った。
記憶が断片的に途切れていく恐怖を想像したら、身体が震え上がった。
過去の記憶が自分の歴史を作り上げていく中で、記憶が途切れていくという現象は過去の自分を少なからず無くしてしまっているということだ。自分が何をしたのか何を言ったのか覚えていない。それは本当に恐怖だ。
この本の中にはバンドやメンバーのことも書いてあった。
彼のメンバーに対する想い。
ひとつだけ、心が痛んだ部分がある。
baroqueが終わって新たに活動を始めようしたとき、
社長から「圭とは絶対一緒に音楽をやるな」という命令。
「圭と一緒に活動することはbaroqueの二番煎じになる。それではbaroqueを解散させた意味がない」
確かにその通りだ。世間的に見て、バンドの要のボーカルとメインコンポーザーのギターが新しいバンドを組むということは、リズム隊を変えて、名前を変えて活動しただけに過ぎないと思われる可能性が高い。本人側からすれば一つ何かが変わるだけでも相当の変化を感じられるのだろうが、客観的にみて、それならbaroqueでいいだろ?となるわけだ。
外に漏らせない内情があるだろうし、仕方がない部分であると思う。
彼にとって圭は絶対に必要で、圭がいなければ自分の音楽は成立しないとまで言い切る。それは圭も一緒だった。どうしても彼らは一緒にやりたくて。圭は何度も事務所に交渉した。怜にソロの話も浮かび上がった。それでも彼らは粘った。
そして一つの妥協案。
「kannivalismを再開させたら、一緒にできるよ」
Kannivalismはbaroque以前に存在していた。それならbaroqueの二番煎じにならない。
そして彼らはその条件を呑んでkannivalismの活動を開始する。
わたしはここで驚愕した。たぶん、一番驚いた真実だった。
Kannivalismはそんな裏事情を抱えてスタートしたバンドだったんだ。
胸が痛んだ。
詳しいことは分からない。
ただ、怜と圭が一緒に活動したいが為に用意されたkannivalismのベーシストという居場所。
この場所をどんな気持ちで裕地は迎えたのだろうか。
怜と圭の病的にも見える依存関係。三人の輪の中で、どれ程辛い思いを彼はしてきたんだろう。リズム隊一人という立場でも、彼はきっと孤独を感じる事が沢山あったと思うんだ。入れない境界線。いつもバランスを保つ為に惜しみなく努力してくれたんだと思う。勿論、怜も圭もそのことを自覚している。
だから、ドラムの光也が入って本当に本当によかった。よかったね、って。圭も雑誌で言ってたけど、一番救われたのは間違いなく裕地だったと思う。
光也のあの落ち着いた雰囲気から察するに、間違いなくkannivalismを人間的にも音楽的にも支えてくれる。
彼、絶対ゴールキーパーとかやってたタイプだと思う(笑)
踏んだり蹴ったりで、やっとこ此処までたどり着いた。
いつも思う。彼らを見ていると、
「今を生きることを大切にしなければ」と。
baroqueのときはね、本当に酷いバンドだったんですよ。
まずメンバーの素行が悪すぎ。ライブで客を待たせるなんて当たり前。客のノリが悪くてライブ止めてしまったり、未成年のくせに飲酒喫煙堂々とやって、スタッフとも問題起こして暴力沙汰で活動休止。経歴みても、ドキモを抜かすような奇妙で派手な衣装で登場したかと思えばとっとと化粧を落として下北系へ。それにあわせて音楽もヴィジュアル系からラップとかシンセとか使ってシューゲイザーっぽくなってった。
一体このバンド何がやりたいんだ?とも思えるほど異様な速さで変わっていく彼ら。
すごいスピードで、彼らは客もファンすらも置いていく。自分達の好きなことを好きなようにやっていった。でも、私はその自由さが堪らなく好きだった。
決して客に媚びない、自由奔放な姿が、本当にこぎみ良いほど気持ちよくて大好きだった。
彼らは、「今と同じ一瞬なんてもう二度とこないんだぞ」ということを身体で表現してくれた。だから、私も頑張らなくちゃいけないと思えるんだ。
彼らは我侭で本当にエゴが強い。
はっきり言って器用じゃないし、もっと上手いやり方だってあったろうと思う部分も沢山ある。でも、そんな人間の決して綺麗じゃないエゴを包み隠さず見せてくれるから、
だから今も好きでいられるんだと思う。
音楽も。人も。
そんな風にわたしの彼らに対する感情は、他のバンドのソレとはかなり異なっていてもう愛着が強いんですよ。
客観的に見れない(笑)曲の感想とか以外はそういう目線で見ようと思わないんです。
時間って怖いですねー。
なんてったって、baroqueは私の青春時代を共にしたので思い出が強すぎる。
あ、ライブとかは行ったことないんですがね。だって歌えないって聞いてたし。地方だったし行く気が起きなかった!笑
…本の感想だったはずがすごい脱線しました。
すみません。
とりあえず、
本を読んでよかったです。
わたしはそう思ってます。
そして12月のライブに行くので、いまから楽しみだー!
先日あれ程ボロクソ書いたんですが、買ってしまいました。
先週本当に忙しくて立ち読みすらかます時間が無かったんだよ!!
と、言い訳だけしておくゴメンナサイ。
やっぱり見ない選択なんてできないな、と。
たぶん私には出来ませんでした。
感想。
以下ネタバレ注意
↓↓
数時間でサクッと読める内容量だった。
一言で言えば、「悲惨」だったな、と。
読んだあと、特に感動もしなければ同情もしなかった。本人も言っているけど、伝えたいこともないしテーマもない。バンドの今後に直接的に繋がるわけでもない。面白かったとも思えないし、苦痛とも感じなかった。
ただ、この空白の二年間、彼の身に何が起こっていたのか。何を思い考え生活していたのか。その経緯、きっかけが赤裸々に飾らない正直な言葉で綴られていた。
薬物依存。
眠れない苦痛を、周囲からのプレッシャーを、思い描く理想の自分を、薬という言葉を発しない神経を麻痺させる道具でごまかす。自分を騙す。
ただ彼は、自分を取り巻く全てのものに誠実でいようとした。誠実でいたかった。それを叶えるためには身体一つ、心一つの裸の状態ではとても自分を保っていられなかった。
baroqueの頃から睡眠薬を常に服用していた事実には驚いた。そんな以前から彼が闘っていたこと。睡眠薬や精神安定剤を手放せない。はっきり言って依存性の高いものばかり。
そんな環境を長年続けていたら壊れるのなんて時間の問題だ。きっかけは、本当に些細なことで。きっと本質を見れば誰が悪いとかの問題ではない。
世界は無情だ、と思った。
ああ、きっと人は簡単に壊れてしまうのだ、と。
そこに理由なんてなくて、意味もなくて、
世界はただ絶望で溢れている。
そう思った。
記憶が断片的に途切れていく恐怖を想像したら、身体が震え上がった。
過去の記憶が自分の歴史を作り上げていく中で、記憶が途切れていくという現象は過去の自分を少なからず無くしてしまっているということだ。自分が何をしたのか何を言ったのか覚えていない。それは本当に恐怖だ。
この本の中にはバンドやメンバーのことも書いてあった。
彼のメンバーに対する想い。
ひとつだけ、心が痛んだ部分がある。
baroqueが終わって新たに活動を始めようしたとき、
社長から「圭とは絶対一緒に音楽をやるな」という命令。
「圭と一緒に活動することはbaroqueの二番煎じになる。それではbaroqueを解散させた意味がない」
確かにその通りだ。世間的に見て、バンドの要のボーカルとメインコンポーザーのギターが新しいバンドを組むということは、リズム隊を変えて、名前を変えて活動しただけに過ぎないと思われる可能性が高い。本人側からすれば一つ何かが変わるだけでも相当の変化を感じられるのだろうが、客観的にみて、それならbaroqueでいいだろ?となるわけだ。
外に漏らせない内情があるだろうし、仕方がない部分であると思う。
彼にとって圭は絶対に必要で、圭がいなければ自分の音楽は成立しないとまで言い切る。それは圭も一緒だった。どうしても彼らは一緒にやりたくて。圭は何度も事務所に交渉した。怜にソロの話も浮かび上がった。それでも彼らは粘った。
そして一つの妥協案。
「kannivalismを再開させたら、一緒にできるよ」
Kannivalismはbaroque以前に存在していた。それならbaroqueの二番煎じにならない。
そして彼らはその条件を呑んでkannivalismの活動を開始する。
わたしはここで驚愕した。たぶん、一番驚いた真実だった。
Kannivalismはそんな裏事情を抱えてスタートしたバンドだったんだ。
胸が痛んだ。
詳しいことは分からない。
ただ、怜と圭が一緒に活動したいが為に用意されたkannivalismのベーシストという居場所。
この場所をどんな気持ちで裕地は迎えたのだろうか。
怜と圭の病的にも見える依存関係。三人の輪の中で、どれ程辛い思いを彼はしてきたんだろう。リズム隊一人という立場でも、彼はきっと孤独を感じる事が沢山あったと思うんだ。入れない境界線。いつもバランスを保つ為に惜しみなく努力してくれたんだと思う。勿論、怜も圭もそのことを自覚している。
だから、ドラムの光也が入って本当に本当によかった。よかったね、って。圭も雑誌で言ってたけど、一番救われたのは間違いなく裕地だったと思う。
光也のあの落ち着いた雰囲気から察するに、間違いなくkannivalismを人間的にも音楽的にも支えてくれる。
彼、絶対ゴールキーパーとかやってたタイプだと思う(笑)
踏んだり蹴ったりで、やっとこ此処までたどり着いた。
いつも思う。彼らを見ていると、
「今を生きることを大切にしなければ」と。
baroqueのときはね、本当に酷いバンドだったんですよ。
まずメンバーの素行が悪すぎ。ライブで客を待たせるなんて当たり前。客のノリが悪くてライブ止めてしまったり、未成年のくせに飲酒喫煙堂々とやって、スタッフとも問題起こして暴力沙汰で活動休止。経歴みても、ドキモを抜かすような奇妙で派手な衣装で登場したかと思えばとっとと化粧を落として下北系へ。それにあわせて音楽もヴィジュアル系からラップとかシンセとか使ってシューゲイザーっぽくなってった。
一体このバンド何がやりたいんだ?とも思えるほど異様な速さで変わっていく彼ら。
すごいスピードで、彼らは客もファンすらも置いていく。自分達の好きなことを好きなようにやっていった。でも、私はその自由さが堪らなく好きだった。
決して客に媚びない、自由奔放な姿が、本当にこぎみ良いほど気持ちよくて大好きだった。
彼らは、「今と同じ一瞬なんてもう二度とこないんだぞ」ということを身体で表現してくれた。だから、私も頑張らなくちゃいけないと思えるんだ。
彼らは我侭で本当にエゴが強い。
はっきり言って器用じゃないし、もっと上手いやり方だってあったろうと思う部分も沢山ある。でも、そんな人間の決して綺麗じゃないエゴを包み隠さず見せてくれるから、
だから今も好きでいられるんだと思う。
音楽も。人も。
そんな風にわたしの彼らに対する感情は、他のバンドのソレとはかなり異なっていてもう愛着が強いんですよ。
客観的に見れない(笑)曲の感想とか以外はそういう目線で見ようと思わないんです。
時間って怖いですねー。
なんてったって、baroqueは私の青春時代を共にしたので思い出が強すぎる。
あ、ライブとかは行ったことないんですがね。だって歌えないって聞いてたし。地方だったし行く気が起きなかった!笑
…本の感想だったはずがすごい脱線しました。
すみません。
とりあえず、
本を読んでよかったです。
わたしはそう思ってます。
そして12月のライブに行くので、いまから楽しみだー!
コメントなんて求めてないだろうとは思っていたんですが......
怜の本を買うかどうか迷っていて検索していたら、
ここにたどり着きました。
コメントなんて滅多にしないんですが......
うまく書けませんが......なんていうんだろ......
私はまだ本は読んでいないんですけど、
本のネタバレ内容に驚いたし、
baroqueや怜、圭たちに対する気持ちなどが
すごく私と近い考え方だったんで書かずにおれませんでした。
それが嬉しくって、コメント書いちゃいました。
baroqueはほんとどうしようもなかったよねぇ。
「サイテーな奴らだ」と私も毒づいてましたw
私も12月行きます。
目一杯、楽しもうね!!
ではでは......失礼しました。
コメントありがとうございます。
こんな独断と偏見に満ちた感想を読んでいただいて、気分を害されなかったがどころが共感していだたいて嬉しいです!すごく驚きました。
まだ本を読まれてないみたいでネタバレ多くてすみません。でも、きちんと怜の言葉で読むとまた違った感想になるかもしれないので、是非読むことをお勧めしますよ。
なんだかんだ、サイテーな奴らとか言って大好きなんだよね。参ったな(笑
トウキョウさんもライブ参加ですか!
お互い楽しみましょう!
同じkannivalism好きに逢えて嬉しいです。
よかったらまた来て下さいね!