機械式時計の修理は、ヒゲが命です！

機械式時計の修理は、ヒゲが命です！

先日修理した時計は、50年近く前のオメガのコンステレーション。
ぜんまいを巻いても時計が動かない状態でした。

調べてみると、機械の要所要所に注してあるべき油が劣化していました。
また、機械式時計の心臓とも言える「てんぷ」という箇所の、「ひげぜんまい」という部品が変形が不調の原因と思われました。

「ひげぜんまい」は渦巻きの形をしたとても細いバネです。
このバネが正常に動くことで正確な1秒を作り出す、とても重要な部品です。

今回の時計は「ひげぜんまい」が変形していたので、分解掃除と注油を施しても正常に動きませんでした。
細心の注意を払いながら、細いバネを曲げて修正し、なんとか元の動きを取り戻すことができました。

ビンテージ時計やアンティーク時計は、新しい部品はほとんど残っていません。
他の部品で代用するか、現在付いている部品を直していくしかありません。

新しいモノは後から後から出てきます。
しかし“古い”モノは失われたら、それでおしまいです。

時間がかかりましたが、長い時間を刻み続けてきた時計を修理することができて、本当に良かったです。


梶本時計店
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