翼人族

翼人族は三族のいずれかはっきりしない部族で、第四の種族で、天界からやってきたのではないかとも言われている。

別説では、魔力を得た鳥が進化して人の姿になり、人と交わって有翼人ができたともいわれている。

天空に一番近い山の孤島といわれるカザルトリに住み、有翼人ともいわれる。

一般的に翼の生えたヒューマノイドを有翼人と呼ぶが、彼らの中でも翼の生える場所(例えば背中や肩や頭)、翼の大きさ(5cmほどの大きさ～身長の3倍)、翼の色(白、金、黒、赤など)によって、細かな部族に分かれる。

代々、大きくて輝く翼を持つ者が高貴とされてきており、厳しい身分制度がある。

彼らの主食は、麦を蒸して固めたバロウと呼ばれるもので、カザルトリ自体には水源が豊富なために、牧畜や農業もしている。

彼らはその翼を生かして、空中を飛び回る鳥の群れを槍のような道具で狩り、焼いて食べる。

彼らに言わせると、脳みその部分が美味だそうである。

とくに、郷土料理ともいわれるトンビの丸焼きでは、頭の部分はその会食で一番身分の上の者に配られる。

彼らは風の魔法を操り、翼を利用して空を飛ぶが、その翼の力だけで空を飛べるワケではない。

それに、両手を広げた大きさより小さな羽根を持つ者は、もとから飛行の訓練すら受けられず、飛ぶことが許されない。

カザルトリはその地形の特殊さゆえ、ナグレシア帝国にも蹂躙されるどころか、発見すらされず、戦乱に巻き込まれること無く長い年月を過ごしてきた。

その為か、極めて外交に疎く、閉鎖的で、種族・民族意識が高いが、好戦的ではない。

それゆえに、発見されてからも他国のことに関してはかなり無頓着であった。

しかし、「風の石」の原産国であった為に、政治的な闘争の中心になっていく。

「翼の先ほども考えない」という言い回しは、有翼人の他国に無関心な様からきている。