会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

日産・西川社長ら、報酬巡り不正の疑い 調査結果報告へ(朝日より)

日産・西川社長ら、報酬巡り不正の疑い 調査結果報告へ

日産自動車の社長を含む複数の役員経験者が、株価連動報酬の行使日を操作して、かさ上げされた金額を不正に受け取っていた疑いがあるという記事。

取締役会に調査結果が報告されるそうです。

「西川氏をめぐる不正の疑いは、6月発売の月刊文芸春秋が報じた。同誌は、カルロス・ゴーン前会長の側近だった日産前代表取締役のグレッグ・ケリー被告=金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴=の証言として、西川氏が株価に連動する報酬を金銭で受け取れる権利「ストック・アプリシエーション・ライト(SAR)」について、報酬額が決まる行使日をずらし、4千万円を超える額を不正に受け取った疑いがあると報じていた。

複数の日産関係者によると、4日に監査委員会が開かれ、西川氏を含む役員経験者らの不正の疑いを確認した。」

かつて、米国ではストックオプションの付与日を操作して、会社の費用計上額を抑制する不正が蔓延していたそうですが、今回の不正は、粉飾目的ということではなく、自分がたくさん報酬をもらえるよう、日付を操作していたというせこい不正なのでしょう。

行使日の操作が、会社と取締役の間の取り決めに違反していたのであれば、違法行為ですから、もらった報酬は返すべきでしょう。取り決め自体が、操作の余地のあるようなあいまいなものであれば、違反ではないのかもしれませんが、役員としては恥ずかしい行為です。

当サイトの関連記事(会計士協会の「インセンティブ報酬の会計処理に関する研究報告」について)

会計士協会の研究報告でいえば「株価連動型金銭報酬」(99ページ~)が該当するのでしょう。

米国のストック・オプションに関する不正操作問題(2006年)(野村資本市場研究所)(PDFファイル)

日本生命が日産の総会で西川氏の再任に反対したのは、先見の明があったのかもしれません。

当サイトの関連記事

日経も朝日の後追いで報じています。

日産の西川社長、報酬数千万円上乗せか 社内規定に違反(日経)

「問題視されているのは「ストック・アプリシエーション・ライト」(SAR)と呼ばれる株価連動型インセンティブ受領権。2013年5月に報酬を受け取る権利の行使日を確定させたが、日産の株価が上昇していたため、行使日を1週間後にずらして当初より多くの利益を得たとされる。」
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