三菱UFJフィナンシャル・グループが保有する証券化商品の含み損が3000億円規模に達したという記事。
「三菱UFJが含み損を抱える証券化商品は、社債や商業用不動産向け融資などを担保に組成され、07年末の残高は約3兆6000億円。こうした証券化商品の価格が下落し、取得時の価格(簿価)を下回ったため、含み損が発生した。市場の動揺が続いて、価格が今後、簿価の半分を下回ると損失が確定する。
これとは別にサブプライムを担保にした証券化商品の残高は07年末で約3350億円。価格が簿価の半分を下回った約950億円を08年3月期の損失として確定する見通しだ。」
三菱UFJは米国基準採用会社ですが、米国基準だと、半分を下回ると減損処理ということではなく、一時的でない時価の下落であれば、半分までいかなくても評価減するのではないかと思います。ただし、対象が債券の場合には、満期まで保有する予定(かつ資金繰り的にその能力あり)であれば、デフォルトにならない限り額面は回収できるので、それほど心配することはないのかもしれません。
いずれにしても、長年日本の経常収支は黒字であり、黒字分は海外への投資に使われているはずです。そのうちのある程度はサブプライム問題の影響を受けている証券化商品に投資されているでしょうから、軽い傷ではすまないのかもしれません。
国際収支:経常黒字24兆円、5年連続で過去最高更新 海外投資が拡大--07年度
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