日本公認会計士協会は、「2013年度版 上場企業監査人・監査報酬実態調査報告書」を協会サイト上で公開しました。
この報告書は「監査人・監査報酬問題研究会」への委託研究の成果物であり、従来は、書籍として出版されていたものです。ただし、分量は大幅に減っているようです。
「監査報酬の低減企業の方が、経営者の裁量的会計行動の余地である、異常会計発生高が少ない傾向にある」といった(協会には都合の悪い?)分析結果も示されています。
協会ではこれとは別に、監査概要書などを使った「監査実施状況調査」の結果も公表しています。これには、上場会社以外の監査についての統計も含まれています。さらに、監査時間数の統計も含まれていますが、金商法(連結あり)のカテゴリーをみると、平成23年度は、1社当たりの報酬自体は減っているものの平均時間数は若干増えています(平成23年度3,964.9時間←平成22年度3,785.7時間)。監査の質が時間数の影響を受けるとすれば、監査の質は向上していることになります。
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監査の質とは関係のない話ですが、この「監査実施状況調査」は法定監査を全件調査したものです。したがって、法定監査の市場規模をこれでみることができると思われます。数字を見てみると、
平成23年度 241,078,726千円
平成22年度 248,014,437千円
というように、約3%、市場がシュリンクしていることがわかります。
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