保育士水増しで「重大かつ悪質」な不正の数々…保育大手社長に「配当金1億円」という実態
保育士数の水増しで運営費を不正受給した会社の親会社「グローバルキッズCOMPANY」(東証プライム)が、配当を行ったことを問題視した記事。
「保育大手の「グローバルキッズ」社が、保育士数の水増しで運営費を不正受給したことが今夏、波紋を広げた。その親会社「グローバルキッズCOMPANY」社は12月20日に株主総会を開き、1株当たり25円の配当を実施することを決めた。
剰余金から総額で約2億3500万円が株主に配当される。そのうち約半分の1億1000万円の配当金が、創業経営者で大株主である中正雄一社長と同氏の資産運用会社「なかや」に入ることになった。」
保育士数水増しによる不正受給の内容については、記事やそのリンク先をご覧ください。
配当に関しては...
「グローバルキッズCOMPANYのほかにも、保育を主力とする上場企業が株主配当を行い、億円単位の配当金が経営者一族に入っている。
上場会社が利益を株主に配分することは当然のことだが、税金を主な原資とする認可保育園の運営事業を主力とする場合、一般企業と同様に見ることは、果たして妥当なのだろうか。」
市区町村から支払われる運営費の性格は...
「そもそも私立の認可保育園には、税金と保護者が支払う保育料が原資となる運営費の「委託費」が市区町村を通じて支払われる。委託費には使途制限がかかっており、内閣府は「委託費を直接配当に回してはいけない。前年度の決算で余剰(利益)が出ていたとしても、その分を配当に回してもいけない」と説明する。」
「運営費は国が保育に必要な経費を積み上げて支払われるため「本来、使い切る性格のもの」(内閣府)とされる。基本的な人件費分だけでも国は8割を想定しており、実際に残る運営費は少ない。内閣府が調査した認可保育園の“最終利益率”は全国平均で2.3%程度だ。
そうした前提条件からも、一般的には保育で利益を上げるということは考えにくく、利益を出そうと思えば人件費を抑えることにつながる。」
営利企業が、会社法で認められる範囲で配当を行うことは、当然のようにも思われますが、そもそも、市区町村がかかわる保育事業を、営利企業で、しかも資本市場からの圧力を常に受ける上場企業にやらせてよいのかという問題はあるのでしょう。厳しく監視しない限り、どうしても人件費を減らす方向にいってしまうでしょう。
今年の出生数、初めて80万人割れの見通し…コロナ禍で婚姻件数が激減(読売)
「今年の年間出生数は、過去最少だった昨年の81万1622人(確定数)を下回り、統計開始以来、初めて80万人を割り込む公算が大きくなった。」
「日本総合研究所の藤波匠上席主任研究員は「ここ5年ほど、出生数は前年比3・5%程度で減少傾向にあることに加え、新型コロナの影響で婚姻件数も急減しており、今年の80万人割れは避けられないだろう」と分析する。」
出生数が減少すれば、数年後には、保育所にも影響が出るかもしれません。その場合には、こういう不正をやるような会社はまっさきに淘汰されて欲しいものです。