対策強化の陰で国税「完敗」も 消費税不正、過去最高577億円追徴(記事の一部のみ)
国税庁が、不適切な消費税の還付申告への対策を強化しているという記事。
「直近1年の追徴課税は約577億円で、過去最高に上る」そうです。
「還付申告は、利益ゼロのペーパー会社でもできるため、不正な届け出が少なくない。
税務調査による追徴課税は毎年およそ6千億円だが、消費税の還付申告の不正や誤りはその約1割を占める。
還付申告は年約25万件で、昨年6月までの1年間に法人・個人合わせた6932件を全国の国税局が調べたところ、約6割の4338件で不正や誤りが見つかった。国税庁は「悪質性が高い」とし、2022年には東京国税局に対策本部を設置するなど税務調査を強化してきた。」
上場会社の不適切事例を紹介しています。
「今年7月には、東京国税局が、東証プライム上場企業「エンビプロ・ホールディングス」の子会社で、リサイクル資源会社「NEWSCON(ニュースコン)」(東京都中央区)に対し、23年までの3年間で過少申告加算税を含め消費税約8億円の追徴課税(更正処分)をしたことが関係者への取材でわかった。
同社や関係者によると、NEWSCONは製鋼原料などのリサイクル資源に加え、中国で需要が高まった雑貨品などを含めて輸出免税の適用を受ける申告をした。しかし国税局は、雑貨品などを実際に輸出したのは仕入れ先業者だとし、免税を認めなかった。
エンビプロ社は取材に「承服できず、国税不服審判所に不服申し立てをした」と話した。」
(この件は、朝日の別記事に基づき当サイトでも取り上げました。)
記事では、エンビプロ社の事例は「不適切な申告」としていますが、輸出免税を「意図的に悪用する手口も目立つ」のだそうです。「飲料水を高級化粧品と偽り中国に輸出」などの事例があったそうです。
また、インボイスも不正防止のためなのだそうです。
「国税庁は昨年10月、税控除や還付を受けるには、要件を満たした領収書などの保存を原則必要とするインボイス制度を導入し、不正防止を図る。」
記事の見出しになっている税務当局「完敗」の事例は...
「一方、税務調査で当局が「完敗」し、追徴課税が認められなかったケースもある。
中国人が社長を務める貿易会社(東京)は昨年、東京国税局から消費税約8億円の追徴課税を受けたが、国税不服審判所に申し立て、今年6月にすべての課税が取り消された(審理は非公開)。」
この消費税の問題と関係があるのかどうかは不明ですが、エンビプロ社は、決算発表を少し遅らせるようです。
2025年6月期第1四半期決算発表日の変更に関するお知らせ(エンビプロ・ホールディングス)(PDFファイル)
「2025 年6月期第1四半期の決算数値の確定に時間を要する見込みとなったため、決算発表日を当初予定から変更することといたしました。」
一週間だけの延期なので、大きな問題ではないのでしょう。