英国の銀行が劣後債の初回期日前償還を見送り、混乱が生じているという記事。
「劣後債市場で、ある「事件」が波紋を広げている。英スタンダードチャータード銀行が1日、2006年に発行した劣後債の初回の期限前償還を見送ったのだ。経営状態が極端に悪化した場合を除き、初回の期限前償還はこれまで暗黙の了解だった。この慣例が崩れて「償還されないリスク」が浮き彫りになり、関連する金融商品は大きく値下がりしている。」
必ず予定期日に償還されるのであれば、普通の社債と同じです。償還するかしないかのオプションが発行者側に与えられている以上、こういうことも想定内でしょう。一般投資家に販売する際に、そういう説明をしていなければ問題ですが。
英スタンダードチャータード、永久劣後債のコール見送り-市場は混乱(ブルームバーグ)
「ブルームバーグがまとめたデータによると、この債券はスタンダード・チャータードが7億5000万ドル(約790億円)発行した永久劣後債(クーポン6.409%)で、任意償還条項付き。この発表で額面1ドル当たり83セントと2012年以来の低水準に沈み、1日の下げ幅は過去最大の14セントに達した。
この売りは他の銘柄にも波及。英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が10億ドル発行した永久劣後債(クーポン7.64%)は一時5セント下落の92セントと、6年ぶりの大幅安。仏銀クレディ・アグリコルの永久劣後債も2012年以降で最大の下げに見舞われた。」
他の銀行も...
独コメルツ銀も永久劣後債コール見送りへ、「償還必要ない」-CFO(ブルームバーグ)
日本でも銀行の劣後債はよく売れているそうです。
メガ銀劣後債に需要集中 「ドイツ銀騒動」どこ吹く風(日経)(記事冒頭のみ)
「日本のメガバンクが発行する永久劣後債(AT1債)に国内投資家の需要が集中している。利回りが高い代わりに、一定条件がそろうと元本が損なわれるリスクがある。欧州ではドイツ銀行の信用不安が深まり、同行のAT1債価格が急落(金利は急騰)しているにもかかわらず、日本では「ドイツ銀騒動」などどこ吹く風とばかりに利回り低下が止まらない。」
事業会社も...
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