金融庁は、「企業内容等の開示に関する内閣府令(案)」(監査報酬の開示・監査人交代時の開示に係る部分)に対するパブリックコメントの結果を、2008年3月28日付で公表し、確定した府令を同日付で公布しました。施行日は2008年4月1日です。
プレスリリースの「概要」(PDFファイル)という添付資料に改正内容がまとめられています。
監査報酬の開示については、有価証券報告書等の様式の「コーポレートガバナンスの状況等」の記載欄が変更されています。監査人に対する報酬を、提出会社と連結子会社に分け、それぞれ、監査報酬と非監査報酬を記載する様式に変わります。
これだけでは、提出会社の監査人以外の会計事務所が子会社を監査している場合の報酬がもれてしまうので、そのほか、「提出会社の監査報酬等の内容として重要な報酬の内容(例:連結子会社がその公認会計士又は監査法人(監査公認会計士等と同一のネットワークに属する者に限る。)に対して支払う報酬の内容)」についても記載することになりました。
(同一ネットワークに限定する必要はないのではないかというコメントがあったようですが、金融庁はこれで十分だといっています。しかし、金融庁へのコメントで指摘されているとおり、海外子会社の監査人が同一ネットワークに属しているかどうかで、開示される報酬が変わってくるのでは、会社間の比較ができません。)
非監査業務の内容や監査報酬の決定方針も記載することになります。
監査人異動時の開示は、監査公認会計士等(財務書類監査公認会計士等又は内部統制監査公認会計士等)の異動があった場合に、臨時報告書において開示するというものです。
異動の決定又は異動に至った理由および経緯と、それに対する監査報告書等の記載事項に係る異動監査公認会計士等の意見も記載されます。監査人側の意見が実際に書かれるかどうかはわかりませんが、会社側の記載する理由および経緯が、監査人に責任を押しつけるような文言を含んでいれば、反論せざるを得ないでしょう。
有価証券報告書の改正規定は、施行日以後開始する事業年度に係る有価証券報告書から適用、臨時報告書の改正規定は、施行日以後開始する事業年度に係る財務計算に関する書類又は内部統制報告書の監査証明を行う監査公認会計士等の異動について適用するという経過措置が設けられています(有価証券届出書に関しても経過措置あり)。
パブリックコメントに対する金融庁の反論資料(PDFファイル)も、規定を解釈するうえで役立つかもしれません。
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