トランプ政権が対中包囲網を強めているという記事。米国で上場している中国企業の監査への監督強化もバイデン前副大統領への攻撃材料なのだそうです。
「中国への締め付けは、大統領選でライバルとなるバイデン氏の追い落としへの意識も強い。米政権は中国企業の上場監査を厳格化すると表明したが、米ハドソン研究所の中国専門家、マイケル・ピルズベリー氏は「もともと監査を免除する特例を与えたのは、バイデン氏だ」と明かす。
米当局は上場企業の監査法人を定期検査しているが、中国側は自国の監査法人への検査を拒んでいる。トランプ政権は中国企業を米株式市場から締め出すため、要求に応じなければ上場を廃止すると迫るが、中国にも言い分がある。米中当局は13年に、米当局が中国の監査法人の検査を事実上免除する「覚書」を結んでいるからだ。
覚書は上場企業会計監視委員会(PCAOB)と中国財政省などが結んだ。米当局が中国側に情報提供を求めても、中国側は国内法に基づいて拒否できる。お膳立てした1人がバイデン氏だ。11年から当時の習近平国家副主席と経済対話を開いて中国の対米投資の拡大を求めていた。」
「監査を免除する特例を与えた」わけではなく、監査は米国監査基準に従ってやっているはずで、PCAOBによる中国の監査事務所への検査などの監督を、中国以外の監査事務所より、緩くしているということでしょう。
例えば、米国上場日本企業やその他の米国上場企業の日本子会社の監査をしている日本の監査法人は、米PCAOBの検査を直接受け入れているわけですが(日本の主権を侵害しているともいえますが、協定を結んで金融庁も認めている)、中国の監査事務所は「覚書」により直接の検査を免れているということなのでしょう。
それにしても、バイデン氏たたきのためとは知りませんでした。選挙のためには手段を選ばないようです(監査の品質確保という大義名分もあるし...)。
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