コロワイドが、同社に関するデイリー新潮の記事について注意喚起したという記事。特に、7月6日の会計評論家・細野氏による記事を問題にしており、法的措置を講ずるといっているそうです。
「コロワイドは、国際会計基準(IFRS)を採用しており、毎期のれんの減損テストを実施しているが、IFRSにおいては、各資金生成単位(単位グループ)の処分コスト控除後の公正価値もしくは使用価値のいずれか高い金額を回収可能価額として使用する。
この点、記事では、子会社のROEと上場会社平均ROEを単純に比較することにより、コロワイドの連結会計上ののれんに価値がなく、コロワイドが連結債務超過状態にあると結論づけられており、その言説は、IFRSはもとより一般的会計知識を著しく欠く、全くもって虚偽のものだという。」
会計監査人交代理由についても虚偽の内容が書かれているのだそうです。
「記事においては、コロワイドの連結会計上ののれんの取扱に関する見解の相違を理由として、コロワイドが会計監査人の変更を行ったかのような言説があるが、監査法人の変更については昨年以前より検討していたものであり、長年に亘りコロワイドの会計監査を担っていたあずさ監査法人とも円満に監査契約を終了している。」
細野氏に対する当てこすりも...
「記事においては、細野祐二氏を「会計士界のレジェンド」と評しているが、同氏は、2004年キャッツ有価証券報告書虚偽記載事件により逮捕・起訴され、懲役2年・執行猶予4年の刑が確定すると共に、公認会計士登録を抹消されている。」
問題の記事。
↓
コロワイド、大戸屋プロキシーファイトに敗れて…前門の虎と後門の狼(デイリー新潮)
全体としては、内容が正しいかどうかはともかく、認められる論評の範囲のように思われますが、「のれん」の減損に関するあずさ監査法人との攻防については、細野氏の推測なのか、事実に関する記述なのかがあいまいになっているようです。(具体的には以下の「この結果...変更されることになった」の箇所は断定的で事実ととられるおそれがありそうです。)
「しかし、たとえどのような事業計画を持ち出そうが、カッパ・クリエイトの事業が超過収益性を持つというのは詭弁に過ぎず、また、レインズの事業は「のれん」の絶対額が大きすぎ、そこでの「のれん」に資産性を認めることはできない。コロワイドの2020年3月期決算監査において、あずさ監査法人はそう言ったに違いなく、これに対してコロワイドは、コロナ禍での減損会計厳格適用緩和要請を盾に強く抵抗したことであろう。
結局、あずさ監査法人は会社側主張を受け入れて2020年3月期決算に適正意見を出したが、この結果、コロワイドの会計監査人は、2020年3月期決算の終了をもって、あずさ監査法人から監査法人トーマツに変更されることになった。監査法人トーマツは、期ぜずして連結監査報酬332百万円の監査利権を得たが、同時に、一発債務超過となる巨額「のれん」の減損リスクを背負い込むこととなった。」
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