海外企業買収に関するPwCの調査を取り上げた記事。
「買収した海外企業の業績が当初の計画を下回っている企業が、36%にのぼっている。大手監査法人グループのPwCアドバイザリー(東京・千代田)が調査結果をまとめた。買収した後に相乗効果を生み出せていないのが一因だ。買収に伴うのれんについて「減損損失を計上した、または計上する見込みがある」と答えた企業も35%あった。」
「調査期間は2018年9〜11月で174社が回答、過去10年で海外M&A(合併・買収)に取り組んだ国内上場企業86社を対象に集計した。買収した企業の業績が「計画を上回っている」のは12%、「おおよそ計画どおり」は52%だった。
売り上げに関わる相乗効果が「100%以上達成した」という企業は11%。逆に「相乗効果がほぼない、またはマイナスの影響が出た」という企業も16%あった。」
「買収後に相乗効果を出すために「施策別に詳細かつ抜本的な見直しをしている」と答えたのは36%にとどまる。「特に施策の見直しはしていない」などの企業が多い。」
引用されているPwCの人のコメントでも、日本企業は、買収後の体制づくりに力を入れていないのだそうです。買収するだけで疲れ果ててしまうのでしょうか。
この会社も?
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ルネサス、トップ人事また迷走 再任3カ月で呉社長辞任(日経)
「呉氏が描いたのは買収による拡大路線だった。17年2月に米インターシル、19年3月に米インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を計1兆円超で買収。主力のマイコンと組み合わせて使うアナログ半導体を強化した。呉氏は「ルネサスを変える」と意義を強調していた。
ただ華々しい買収の裏で本体の競争力は失われてきた。既存事業に必要な投資が十分に回らず、顧客離れも招いた。主力の自動車向け半導体などでシェアが低下し、19年1~3月期は12億円の連結営業赤字になった。決算期変更のため単純比較できないが、同期間としては7年ぶりの赤字になった。
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買収で19年3月末の有利子負債は9651億円と、18年12月末の約5倍に膨らんだ。買収価格と買収先の純資産の差額を示す「のれん」は9000億円を超え、減損リスクを抱える。IDTについてはルネサス幹部も「買収価格が割高だった」と認める。株価は17年11月に1500円台をつけたが、足元は500円台に下がっている。」
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