会計事務所の従業員の仕事への満足度を高めるにはどうしたらよいかという研究を紹介した記事。米国ヤングスタウン州立大学の会計学の准教授が1200人のCPAを対象に調べたそうです。
How can firms improve their employees' job satisfaction? Marsha M. Huber, CPA, Ph.D., a happiness researcher and associate professor of accounting at Youngstown State University in Ohio, has some answers. She administered a survey on happiness to 1,200 CPAs in various industries, asking them questions about topics including their satisfaction at work and in life and whether they found meaning in their work.
その結果、CPAの幸福度に最も大きな影響を与えている3つの要因がわかったそうです。
Combing through the data, Huber discovered three factors that have the most impact on CPAs' well-being: having hope, a calling, and autonomy.
ひとつめは、hope 希望です。具体的な目標やそれを達成するための複数のキャリアパスに基づく職業上の将来展望が開けているかどうかということです。
多くの事務所では、幹部に昇格するには10年以上もかかり、従業員の動機付けにはならないのだそうです。そのため、従業員が達成可能なマイルストーンを設けるのがよいといっています。
昇進経路に関する透明性を保持することも有効だそうです。
ふたつめは a calling 天職であることです。従業員に満足を与えるような、やりがい、高揚感、情熱といった感覚のことです。
自分が何をやりたいのかをみつけさせるために、従業員を幅広い領域にふれさせるのがよいといっています。
3番目は autonomy 自律性です。自律性とは、自分が適切だと思う方法で仕事をやる自由のことです。特に、何をやらなければならないのかを、常時指示されるのでは、自律性があるとはいえません。
事務所の中で誰が最も幸福かを見てみると、それは常に、最も自律性を有している人(一般的には事務所のトップ)なのだそうです。
事務所は、従業員のキャリアのより早い段階で、より多くの自由を取り入れるような方法を探るべきだといっています。
日本の監査法人の人事部も、人が足りなければ採用する、余ればリストラというだけでなく、もう少し長期的な従業員満足度向上策を考える必要があるのでは。(もっとも、金融庁の締め付けで事務所自体の自律性がなくなりつつあって、そんな余裕はないのかもしれませんが)
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