goo blog サービス終了のお知らせ 

会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」の公表について(金融庁)

「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」の公表について

金融庁の企業会計審議会は、2013年6月19日付で「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」を取りまとめ、公表しました。

主な内容は以下のとおりです。

(基本的な考え方)

・我が国として、「単一で高品質な国際基準を策定する」という目標を実現していくために主体的に取組むことは重要

・会計基準の国際的な調和に向けた努力は継続する必要があり、日本基準を高品質化するような会計基準の変更については前向きに対応し、高品質な日本基準を維持していくことが重要

・IFRS財団モニタリング・ボードのメンバー要件である「IFRSの使用(強制または任意の適用を通じたIFRSの顕著な使用)」を勘案しながら、日本のIFRSへの態度をより明確にすることを検討

・我が国におけるIFRSの強制適用の是非等については、未だその判断をすべき状況にない

(IFRS任意適用要件の緩和)

・IFRSの任意適用要件のうち、IFRSに基づいて作成する連結財務諸表の適正性を確保する取組・体制整備の要件は維持することとし、「上場企業」及び「国際的な財務活動・事業活動」の要件は撤廃することとすべき

(IFRSの適用の方法)

・ピュアなIFRSのほかに、「あるべきIFRS」あるいは「我が国に適したIFRS」といった観点から、個別基準を一つ一つ検討し、必要があれば一部基準を削除又は修正して採択するエンドースメントの仕組みを設けることは、我が国における柔軟な対応を確保する観点から有用

・具体的なエンドースメントの手続については、まず、会計基準の策定能力を有するASBJにおいて検討を行い、さらに、現行の日本基準と同様に、ASBJが検討した個別基準について、当局が指定する方式を採用することが適当

・IFRSの個別基準をエンドースメントする際の判断基準としては、例えば、会計基準に係る基本的な考え方、実務上の困難さ(作成コストが便益に見合わない等)、周辺制度との関連(各種業規制などに関連して適用が困難又は多大なコストを要することがないか)等の点を勘案すべき

(単体開示の簡素化)

・金商法における開示制度では、単体開示の簡素化について検討することが適当

・本表(貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書)に関しては、会社法の要求水準に統一することを基本とする。

・注記、附属明細表、主な資産及び負債の内容に関しては、会社法の計算書類と金商法の財務諸表とで開示水準が大きく異ならない項目については会社法の要求水準に統一することを基本とする。金商法の連結財務諸表において十分な情報が開示されている場合には、金商法の単体ベースの開示を免除することを基本とする。

・例えば、連結財務諸表におけるセグメント情報の充実や、注記等の記載内容を非財務情報として開示することなどについて検討すべき

・規制業種については、所管省庁の意見も聴取しながら検討

この報告書の背景についてはこちら。J-IFRSは反対派懐柔のためだそうです。

国際会計基準(IFRS)への「当面の方針」を強引にまとめた金融庁の「八方美人」(現代ビジネス)

「 「国際会計基準に『日本版』 金融庁、株式売却益など独自仕様」---日本経済新聞は審議会が開かれた19日の朝刊で、こう報じた。すでに議論がまとまり、形ばかりの会議が開かれるというのなら、それは見事な"スクープ"と言えただろう。

だが、意図的に議論の方向性を示し、それを既定路線とするような報道には「裏がある」と見るのが普通だろう。日本版IFRSの導入をことさら強調したかった人たちがいる、ということだ。

IFRSは国際的な会計基準の統一を掲げて、英ロンドンにある国際組織IASB(国際会計基準審議会)が基準を決定している。その純粋なIFRSの基準のうち、日本企業が反対する基準を除外した日本版を作ってしまおうというのである。これは経団連がここへきて急速に主張しているもので、経団連はこれを「J-IFRS」と呼んでいる。

 つまり、IFRSの導入に慎重な姿勢を示している企業が納得できる方向に議論が進んでいることを印象付けたかったに違いない。」

「・・・反対派が期待する日本版IFRSは広がるか?

「当面の方針」でも指摘しているように、あまりにも除外基準が多い場合、IASBにIFRSと認定されない可能性がある。つまり「限定的な修正」と認められるかどうかがカギになるのだ。

2015年3月期から適用できるように基準を作る意向だとされるが、除外を増やせば国際的に通用せず、除外を減らせば反対派の日本企業から批判が出る。しかも、「日本版IFRSを採用しています」と公言した途端、国際資本市場でまったく見向きもされなくなる危険性も出て来る。それなら純粋なIFRSを採用した方が簡単だ、ということになるかもしれない。」

当サイトの関連記事
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「金融庁」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事