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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東芝、課徴金処分へ 監視委が虚偽記載と判断 不適切会計1600億円に(日経より)

東芝、課徴金処分へ 監視委が虚偽記載と判断
不適切会計1600億円に
(記事冒頭のみ)

東芝粉飾事件について、ここ数日、日経には記事が掲載されていませんでしたが、18日朝刊の1面で大きく取り上げています。

要点をまとめると・・・

・証券取引等監視委員会が、行政処分として、同社に課徴金を課すよう金融庁に勧告する方針(刑事告発についてはふれず)

・東証は「特設注意市場銘柄」に指定する見通し

・社長と副会長は辞任

・不適切会計による利益修正額は約1600億円。そのほか、別記事で追加の700億円についてふれている。(追加分について1面から外し、見出しを1600億円にとどめたのは会社に配慮?)

東芝、新たに700億円規模の損失 半導体・パソコンで減損(日経)(記事冒頭のみ)

「東芝は不適切会計による約1600億円の利益減額修正とは別に、700億円規模の損失を計上する見通しだ。過去の決算で利益が減ると、事業そのものの収益力が落ちたと見なし、その時点にさかのぼって工場などの価値を切り下げる減損という会計処理をする。半導体とパソコン事業で減損損失を計上する。決算修正額とあわせて2014年3月期までの5年間で約2300億円の利益押し下げにつながる。」

税効果についてはふれていません。

各年度の納付税額が変わらないと仮定すると、利益修正額は、将来減算一時差異となって、繰延税金資産増額要因となります。他方、過年度の利益水増しにより、(将来減算一時差異が使われる前の)将来課税所得の見積りは過大になっていた可能性があります。それを見直すと、繰延税金資産を減額(場合によっては地滑り的に取崩し)しなければならないかもしれません。どちらの影響が現れるのかについては、今までの報道では、よくわかりません。先日のロイターの報道では、減損処理と繰延税金資産取崩の合計で2000億円とありましたが、他のメディアは、そこまでは書いていません。

第三者委員会の報告書では、固定資産の減損や税効果会計までは、ふれないのかもしれません。その場合は、決着がさらに先になります。

また、資産売却の報道もなされています。含み益になっている資産を売却すれば、課税所得が生じます。資金繰り目的のほかに、タックス・プランニングを配慮した取引なのかもしれません。

東芝、株売却で2千億円捻出へ…資金繰りに備え(読売)

「東芝は、不適切会計問題を受け、保有株式の売却などで約2000億円を捻出する方針を固めた。

業績の悪化で、将来の資金繰りが困難になる可能性があるためだ。資産を売ることで、支援を受ける銀行の理解を得たいという思惑もある。

売却するのは、互いに持ち合っている他社の株式や、関連子会社の株式が中心とみられる。不動産の売却も検討する考えだ。」

この記事では、税効果にはふれずに「利益の押し下げ規模は3000億円近くに達する可能性がある」と書いています。

東芝、第三者委報告の要約を20日夜公表
21日夕に記者会見
(日経)

「東芝は17日、不適切会計問題を巡る第三者委員会の調査について、報告書の要約版を20日21時に公表すると発表した。翌21日の15時に全文を公表し、17時から田中久雄社長と前田恵造最高財務責任者(CFO)が記者会見を行う。」

第三者委員会調査報告書の開示予定等に関するお知らせ(東芝)(PDFファイル)
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