OECDが、デジタル課税に関する多国間条約の署名時期を延期するという記事。
「経済協力開発機構(OECD)は18日、巨大IT(情報技術)企業などを対象とするデジタル課税の署名時期を2024年6月末まで半年間延期すると発表した。米国で条文案の確認に時間がかかり、23年中の署名を見送った。25年発効の目標は維持する。」
「24年3月末までに条文を確定させるとも明らかにした。OECDは23年10月にデジタル課税に関する多国間条約の条文案を公表した。」
「金融や資源などは対象外で、世界で100社程度が該当する見込みとなる。米国はグーグルなど対象企業を50〜60社ほど抱えるとみられる。30カ国・地域以上が批准した上で、対象となるおよそ100の企業の60%以上が批准国に本拠を置いていることを発効条件にした。
実質的に、米国が批准しないと発効できない仕組みだ。米国では条約批准に上院の3分の2の賛成が必要で、共和党の動向が注目されている。」
OECDのプレスリリース。
このリリースの最後の方でふれている声明文に延期のことが書いてあるようです。(MLC:Multilateral Convention 多国間条約)
The Inclusive Framework also released today a statement updating the timeline to finalise the text of the MLC to implement the coordinated reallocation of taxing rights over the profits of the world’s largest and most profitable companies (Amount A of Pillar One). The statement expresses the continued and strong commitment of Inclusive Framework delegates to resolve the outstanding issues, achieve a consensus-based solution and finalise the text of the MLC as swiftly as possible.
声明文。
Update to Pillar One timeline by the OECD/G20 Inclusive Framework on BEPS(2023年12月18日)(PDFファイル)
Recognising that the work to resolve the remaining differences will have to go on into next year, including with respect to the standstill on new Digital Service Taxes and other relevant similar measures, members of the Inclusive Framework reaffirm their commitment to achieve a consensus-based solution and to finalise the text of the MLC by the end of March 2024, with a view to hold a signing ceremony by the end of June 2024.
2024年3月末までに条約の文言を確定し、6月末までに署名のセレモニーを行うとのことです。
米国が承認しないと前に進めないようですが、コミットメントといっているので、今のところは条約締結を目標としているようです。しかし、来年の選挙でトランプが大統領になったら、どうなるのでしょう。全てがひっくり返るのでしょうか。