東芝の社外取締役の1人が、取締役候補2人の選任に反対しているという記事。
「東芝の綿引万里子社外取締役(元名古屋高裁長官)は6日、報道陣の取材に応じ、海外の「物言う株主」の幹部2人を新たに取締役候補とすることに反対した理由を「取締役会構成の多様性、公平性、バランスの良さを欠いていると判断した」と説明した。」
「綿引氏が反対したのは、米のファラロン・キャピタル・マネジメントと、米のエリオット・マネジメントから受け入れる候補2人。綿引氏は再任予定の社外取締役6人のうち4人を約3年前にファンド推薦で迎えたことや、そのうちの1人のレイモンド・ゼイジ氏もファラロン出身であることを挙げ「他の株主からは特定の株主に偏っていると見える」との懸念を示した。」
監査委員会監査報告書にも補足意見がついたそうです。
「同日公表の東芝の監査報告書で、綿引氏と監査委委員長の補足意見として、ゼイジ氏が3月、取締役会が反対を決めていた株主提案への賛成をツイッターで表明したことを「株主の取締役会に対する信頼を損ねる」などと指摘した。」
東芝の株主総会資料をみると...

(定時株主総会招集ご通知 より)
ちなみに、取締役候補者全員の顔ぶれは...

(同上)
1番はKPMG出身、3番はEY出身、4番はプライスウオーターハウス出身、10番と11番は日本の会計士です。会計士業界出身者ばかりで、かえって不安になります。

(第183期報告書より)
取締役選任に影響せず、東芝が声明 社外役が一部案に反対(ロイター)
「東芝の綱川智取締役会議長は7日、「物言う株主」の幹部2人の取締役選任に社外取締役1人が反対を表明したことについて、個人の見解で影響はないとの声明を発表した。
綱川議長は「企業価値向上に向けた戦略的選択肢の検討及びガバナンス(企業統治)の改善という観点から最善」、「株主と経営陣はより足並みをそろえることができる」などとした。」
取締役選任議案に関する当社取締役会議長ステートメントについて(東芝) (PDFファイル)
(補足)
東芝、再建策に影を落とす「取締役選任への異論」
ファンド推薦の候補者2人は賛同を得られるか(東洋経済)