公認会計士の車系ユーチューバーの動画です。所属していた監査法人を退職した経緯について説明しています。
動画の中でトヨタ自動車のクルマを取り上げることが、独立性ルールに違反するおそれがあるということで、退職を余儀なくされたようです。(どこの監査法人なのかは、トヨタということで推測がつきます)
トヨタ(グループ会社含む)とこのユーチューバーが、直接的に何か取引をしていたのではなさそうですが(動画の説明によるとその点は気をつけていたようです)、トヨタの監査チームに所属してないとはいえ、トヨタの監査人である監査法人に所属する職員が、トヨタのクルマの宣伝ととられかねない言動を動画の中ですることは、監査クライアントと癒着しているようにみられ、まずいのでしょう。あるいは、同時提供禁止業務を裏でやっているとか、ビジネス上の関係をもっているとか、そういうふうに意地悪に解釈する人もいるかもしれません。
監査法人の独立性部門と、いろいろ相談もしたようです。また、トヨタはSECのルールが適用されるので、日本のルールより厳しい制限がかかるようです。
独立性に関するケーススタディになるのでは。
例えば、キリンビールを監査している事務所の社員・職員が、自分のブログやユーチューブ(不特定多数が閲覧できるもの)で、キリンはアサヒやサッポロよりうまいといったら、独立性違反なのかという話ではあるのですが...。もちろん、影響力の大きさや広告費が絡んでいるかなども関係するのでしょう。
独立性部門と相談しなければならないような微妙な事例のようなので、会計士試験や修了試験には出ないとは思いますが。
(補足)
高級車4台所有の20代OLYouTuber、本業の会社を退職 「トヨタ レクサスに触れず車系YouTuberを継続することは難しい」(Real Sound)
この一般向けサイト記事では、監査人の独立性の問題にはふれていませんが、動画の中では、背景説明として、わかりやすく解説しています。