東証2部上場のクレアホールディングスのプレスリリース。先日、監査人交代の開示を行っていましたが、株主から別の監査法人を選任するようにとの修正動議がなされることが通知され、会社もその修正動議に賛成するとのことです。
「当社は、本総会において、監査法人アリアを会計監査人候補として会計監査人選任議案を提出しておりますが、当該株主より、当社の会計監査が継続的かつ適切に行われることを確保するため、本総会において会計監査人として史彩監査法人を選任する旨の修正動議を提出する旨の申し出がありました。
本修正動議の理由は、公認会計士・監査審査会が、平成29年6月8日付で金融庁長官に対して監査法人アリアへの行政処分その他の措置を講ずるよう勧告したことを受け、同監査法人がそれを不当なものとして公認会計士・監査審査会との間で訴訟係属中であることから、当社の監査への影響が不明であるとしたものです。
当社では、監査法人アリアの専門性、独立性及び監査の品質の確保等を勘案し、当社の会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を備えていると判断したものでありますが、会計監査人の選任について、株主、投資家の皆様の視点で再検討した結果、史彩監査法人を会計監査人候補とすることについて当社監査役会は同意しており、当社取締役会も会計監査の安定性を重視する観点から当該候補が望ましいと考えております。 」
「今回の修正動議につきましては、既に発送済みの招集ご通知の修正は行わず、本総会当日にて、会計監査人候補の概要等を記載した本開示文を配布する予定です。
また、本修正動議が発議され、賛否を諮ることとなった場合、郵送にて行使された議決権行使書につきましては、第2号議案「会計監査人選任の件」についてのみ、以下の取り扱いとなります。
①原案に「賛成」の指示のあるもの・・・修正案に対して「反対」として取り扱われる。
②原案に「反対」の指示のあるもの・・・修正案に対して「棄権」として取り扱われる。 」
株主が提案している史彩監査法人は、会計士協会の上場会社監査事務所登録制度には、まだ登録されていないそうです(準登録もまだ)。
処分勧告が出ているアリアを避けるというのは、理解できますが、新しい監査法人を、わざわざ未登録事務所から選ぶというのが不思議です。登録制度に登録されている事務所は、監査法人で約120もある(ほかにも個人の会計士事務所がある)そうですから、監査品質が心配なら、その中から選ぶのが自然でしょう。
(以前は、ほぼ届出だけで準登録を行い、上場会社の監査契約が取れたら、最初の監査に関して協会のレビューを受けて、本登録するというルートも認められていましたが、今のルールでは、準登録の段階である程度チェックがかかるようです。)
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元会計どかた
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