東証1部上場の東海染工の元営業課長が売上架空計上を行い、少なくとも1500万円を横領していたという記事。
業績に影響を与える可能性のある事象の発生について(PDFファイル)
架空売上の計上については、12月8日に発表されています。そのときのプレスリリースによると、倉庫会社に預けている在庫について、売上(出荷)していないのに売上と売上原価を計上していたという不正です。
気になったのは、この課長が「倉庫会社に対し在庫報告書の改ざんを依頼し、当社(東海染工)が定期的に実施している在庫照合手続きによって架空の売上高及び売上原価の存在が露見しないよう偽装していた」という点です。ちゃんとした倉庫会社なら在庫証明書を偽造することなどありませんが、保管していない在庫を証明書に載せるのではなく、保管している在庫を(売上先からの預かり在庫などといった説明を信じて)証明書に載せないということはあるのかもしれません。
また、会計上の影響は架空売上だけでなく在庫の評価にも及んでいます。売上の取り消しにより帳簿上戻される在庫の評価減が3億円発生するとのことです。評価減を避けるため、販売により不良在庫が解消されたようにみせかけたかったのかもしれません。
横領については、プレスリリースではふれていません。
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