英国の財務報告評議会が、ロールスロイス社の監査人であるKPMGへの調査を検討しているという記事。
The Financial Reporting Council (FRC) is considering an investigation into KPMG’s work as auditor of Rolls Royce
ロールスロイスは、先週、賄賂容疑を認め、米国と英国の当局との間で、671百万ポンドの罰金を支払う合意をしました。英SFOは、同社が、インドやタイなど数カ国で、20年以上にわたり、契約を確保するため、わいろを支払ったり、ブローカーを使ったりしていたことを明らかにしました。
Last week the British engineering giant agreed to pay £671m in fines after it admitted bribery and corruption charges to authorities in the UK and US.
The Serious Fraud Office (SFO), following its largest ever investigation, found that Rolls Royce had paid bribes and used middlemen to secure contracts in several countries, including India and Thailand, over a period of more than 20 years.
Rolls Royce apologised "unreservedly" for the cases and said it would now implement a “zero tolerance” policy on business misconduct.
KPMGは、1990年からロールスロイスの監査人を務めており、その監査が、会計に関する監督を行っているFRCの調査対象となる可能性が出てきました。
KPMG, which has audited Rolls Royce since 1990, could now be the subject of an investigation from the accountancy watchdog the FRC over its audit work at Rolls Royce.
KPMG側も調査に協力すると言っているそうです。
KPMG said it will co-operate with any investigation. A spokesperson for the firm said, "It is a matter for the FRC to consider whether the report and accounts prepared by the company comply with the relevant requirements and whether those responsible for preparation (and audit) thereof have fulfilled their obligations in that regard."
なお、ロールスロイスの監査人は、2018年の株主総会後、PwCに変更予定とのことです。
わいろが違法行為であることはたしかです。また、わいろという費目で会計処理しているはずもないので、会計処理も不適切だったのでしょう。しかし、それが、財務諸表をゆがめるほどのものだった(そうであれば監査人の責任も問われる)のかは、別問題となります。もちろん、違法行為に監査人が気付いていながら、適切に対応していなければ、監査基準違反でもあり、問題となります。
[FT]企業スキャンダル、スパイより会計士を恐れよ(日経)
「航空宇宙大手のロールスロイスも外国で問題を抱えているが、そう簡単に逃れられなかった。というのも、不正行為の確たる証拠を突きつけられていたからだ。同社は1月第3週、中国、ブラジル、インドでの汚職疑惑を和解に持ち込むために6億7100万ポンド支払った。ロールスロイスは英国の重大不正捜査局(SFO)の調査を受けており、会社の独自調査で得た情報の一部を自発的に提出していた。」
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